「学生 島耕作」連載スタート号からも購入可能・隔週刊コミック誌「イブニング」電子版配信開始

2014/04/22 07:00

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イブニング講談社は2014年4月22日、同社が刊行している隔週刊コミック誌「イブニング」について、その電子版配信を同日から開始すると発表した。今後紙版の雑誌と同じ第2・第4火曜日に毎号配信することになる。また2014年1号から前号までのバックナンバー計10冊も同時に配信する。価格は360円前後(配信先によって異なる。原則は紙媒体と同一価格)(【発表リリース:隔週刊青年コミック誌「イブニング」、 紙の雑誌の発売日と同時に電子版配信開始!!】)。


↑ イブニング最新刊表紙
↑ イブニング最新刊表紙

「イブニング」は講談社発刊の青年向け隔週刊コミック誌。「もやしもん」や「モテキ」などが連載されていた雑誌としても著名で、現在では「学生 島耕作」のような王道系漫画、ギャグやショート、SFなど多様なジャンルに渡る作品が展開中。また「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」のような異彩の作品も数多く輩出・展開されることでも知られている。

今回登場する電子版は、講談社がすでに敢行している「アフタヌーン」「別冊少年マガジン」の電子版配信に続くもの。原則紙媒体版と同じタイミングでの配信となるので、発売日当日に最新の号を自分の端末で読むことができ、買い逃すリスクも無い。原則紙媒体版と中身は同じだが、表紙画像や中吊り広告画像に掲載されている一部の記事や画像、広告、付録が含まれていないことや、一部の画像が修正されている場合がある。

2014年以降の号についてはバックナンバーの購入もできる。好みの作品でまだ単行本化されていない作品の再チェックを、過去の号をたどってチェックすることが可能。配信先の電子書店は全部で50書店超。大手から中堅どころも含め、ほとんどの電子書店を網羅している。

↑ 電子書籍ストア BOOK☆WALKERから。すでに最新号に加え、2014年発刊分がすべてバックナンバーとして収録されている
↑ 電子書籍ストア BOOK☆WALKERから。すでに最新号に加え、2014年発刊分がすべてバックナンバーとして収録されている

いわゆる「すき間時間」の友として主役の立場にあった雑誌や新聞が、従来型携帯電話からスマートフォンやタブレット機に取って代わられつつある。公共交通機関内の情景もこの数年で大きく様変わりしているのは、すでに多くの人の知られるところ。漫画そのものの需要に変わりはないものの、読まれる媒体が多様化し、紙媒体のコミック誌は勢いを減じている。

漫画の購読スタイルにおける需要の変化に臨機応変に対応し、多角化したルートに対応する姿勢の表れでもある今回の「イブニング」の電子版展開は、既存の「アフタヌーン」「別冊少年マガジン」電子版配信同様、講談社からすればさらなる紙媒体の販売減につながりうるリスクを有するもので、英断ともいえる刊行ではある。それでもなお電子版の同時発売を積極展開する姿勢は、大いに注目すべきといえる。紙媒体を売るのではなく、コンテンツを売るという、広い視野に立った戦略を打ちつつある、と見るべきなのだろう。


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