燃料途絶でも10日間の配送可能・埼玉県杉戸町にセブン&アイの燃料備蓄基地完成

2014/05/09 10:40

このエントリーをはてなブックマークに追加
杉戸燃料備蓄基地セブン&アイホールディングスは2014年5月8日、大規模災害対策の一環として昨年から埼玉県北葛飾郡杉戸町に建設を進めてきた、燃料備蓄基地について同日に「杉戸燃料備蓄基地」として完成したことを発表した。またこれに合わせイトーヨーカ堂とセブン-イレブン・ジャパンは杉戸町との間で「災害時における生活物資の供給協力に関する協定」を締結したことも明らかにしている(【発表リリース:2014年5月8日国内小売業初の燃料備蓄基地が完成 同日、イトーヨーカ堂とセブン-イレブン・ジャパンが杉戸町と災害協定を締結】)。




↑ 杉戸燃料備蓄基地の完成を伝える報道映像(公式)。
↑ 杉戸燃料備蓄基地の完成を伝える報道映像(公式)。【直接リンクはこちら:セブン&アイ「燃料備蓄基地」完成 災害時の運送用(14/05/08)】

今件備蓄基地はセブン&アイが災害発生時において、避難所への緊急物資配送や各店舗への商品配送の円滑化など、臨機応変に対応するための備えとして建設を進めていたもの。燃料の販売・配送事業を手掛ける三和エナジーとの協力で作られており、平時は三和エナジーが営業拠点として利用する(これにより貯蔵燃料が随時入れ替えられるため、燃料の劣化防止にもつながる)。

敷地面積は650坪ほど。イトーヨーカ堂の物流センター敷地内に位置し、見た目は業務用のガソリンスタンド。今件基地の設置・運用開始により、同社は今基地内に常時燃料を400キロリットル(軽油350キロリットル、ガソリン50キロリットル)備蓄することができ(燃料タンク総容量はその倍の800キロリットル)、首都圏及びその周辺における大規模災害時に、素早い対応が可能となる。資料の説明によれば、備蓄分の軽油350キロリットルで、首都圏1都3県のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークマートの全店約5400店舗に対し、最大で約10日間分の緊急配送を行うことができる。製造コストは約4億円で、セブン&アイが負担する。

↑ 杉戸燃料備蓄基地全体イメージ(左)と外観(右)
↑ 杉戸燃料備蓄基地全体イメージ(左)と外観(右)

また今備蓄基地の建設にあわせ、完成同日付で杉戸町とセブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂双方との間で「災害時における生活物資の供給協力に関する協定」も締結された。これは大規模災害発生時には同町町民の生活安定を図るため、杉戸町からの需要に対し調達可能な日用品等の生活必需品を提供するというもの。さらに同日、三和エナジーと杉戸町との間では、同様の内容で燃料を供給する「災害時における燃料の供給に関する協定」が締結されている。

リリース及び報道によれば、セブン&アイ側では今後も類似備蓄基地について、複数の建設を目指したいとしている。大手コンビニ系列はおろか国内小売業でもここまでの規模の備蓄基地を建設したのは、今件が初めて。資産力などの大きな余力があってこその行動ではあるが、平時では燃料供給業者に随時使用してもらい、備蓄品の劣化を防ぐなどの工夫も見られる。今後似たような動きが他社にも見られるかもしれない。


■関連記事:
【避難所や店舗への緊急配送用として…セブン&アイ、燃料備蓄基地を建設】
【ドコモ、太陽光発電で運用可能な「グリーン基地局」の実証設置実験開始】
【賞味期限切れを起こした備蓄品、もっとも多いのは「水」】

このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサードリンク


関連記事


▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2020 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー