社長の3K発言報道にゼンショー反論、「一部事実と異なる報道があったことは大変遺憾」

2014/05/16 10:55

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すき家ゼンショーホールディングスは2014年5月15日、ゼンショーの記者会見の中で同社社長小川賢太郎氏が「日本人はだんだん3K(きつい、きたない、危険)の仕事をやりたがらなくなっている」と言及して嘆いたと朝日新聞が報じたことにつき、これを拡大解釈して「ゼンショー社長がすき家の仕事を3Kだととらえている」との認識が広まっていることに対し、記者会見の上でのやり取り全文を公開すると共に、この発言が小川氏自身の所感を述べたものでは無いことを明らかにすると共に、大変遺憾とする見解を明らかにした(【発表リリース:本日の朝日新聞記事について】)。


↑ 該当する朝日新聞の記事
↑ 該当する朝日新聞の記事

ゼンショーグループは2014年5月14日付で決算短信を発表したが、それに合わせて行われた決算記者会見の中で発せられた小川社長の発言を用い、朝日新聞が同日(紙面上では翌日15日朝刊)で、「小川賢太郎社長は『日本人はだんだん3K(きつい、きたない、危険)の仕事をやりたがらなくなっている』と嘆く」と表記し、続いて同社傘下のすき家に関する人員不足の話を続け、小川氏が心境を語り、すき家自身に対する所感を述べているような文脈で表記している(【該当記事:すき家のゼンショーHD社長「3K仕事やりたがらない」】)。

この記事掲載をきっかけに、さらに内容を拡大解釈する形で話が拡散され、小川氏が「すき家」の仕事を「3K」仕事だと断じているかのような内容が浸透する状況となった。

これに対しゼンショー側ではその記事の基となったやり取りの一部始終を公開した。その具体的内容は次の通り。

記者)たとえばマックなどは「ない」と言っているんですけども、24時間というのが大変なのか、定着率とか、そういうところにも問題があったのか・・・

回答)おっしゃるように、24時間営業、深夜というものはいちばん難しいですね。24時間営業をやっているコンビニとか、スーパーマーケットとか、そうとう地方でもいま大変だという話をうかがっています。「日本人がだんだん3Kをやりたがらない」と昨日どこかの記事にも載っていましたけれども、労働力のミスマッチですよね。事務職にはなりたい人がいっぱいいて、だけど現場の仕事はミスマッチでやりたい人が少ない、という現状は確かにあると思います。

ただまあ、それを言っていてもしょうがないので、その中で経営努力をしてきたわけですし、これからもしていくということで、インフラとして機能させていくということが我々の責任だと思っています。

その上で、問題視された部分「日本人はだんだん3Kの仕事をやりたがらなくなっている」については記事(5月17日号の東洋経済の記事「誤解だらけの介護職-もう3Kとは言わせない」と題した特集記事)にそのような趣旨があったと述べたものであり、小川氏本人の所感、すき家の業務に関する感想を述べたものでは無いとし、日本の労働市場全般に関する一般論を述べたと説明。それと共に「一部事実と異なる報道があったことは大変遺憾です」とし、遺憾の意を表明することとなった。

公開されたやり取り全文を読み解く限り、朝日新聞の記事内容はいわゆる「ミスリード」という類のもので、切り貼り・編集をして時節に載せるタイプのものと解釈できる。また今件記事を基に「一部で拡大解釈され」とリリースにあるが、その多分がコミュニティサービスと、その書き込みを自己編集したいわゆる「まとめサイト」やそれに類するニュース媒体によるところが大きい(検索をした限りではそのような結論が導き出される)。

今件も合わせ、報道される側においては、各事象の記録と随時全面公開こそが、誤情報の広がりを防ぐ最大の防御策となるのだろう。


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