まるで走る超高級ホテル・JR東日本が豪華列車のビジュアル発表
2014/06/04 10:50



↑ JR東日本が計画中のクルーズトレイン・エクステリア(外装)イメージ
いわゆる団塊世代の定年退職に伴う、(プチ)リッチの大量創生と、その世代における旅行需要の高まりを受け、交通関連企業ではその世代をターゲットに据えた、上質な旅行を提案するプロジェクトを推し進めている。JR各社でも専用列車を創設し、この世代の需要に応える戦略を展開している。
JR東日本でも2012年10月に策定した同社の経営戦略の中で、観光立国の推進の一環として「クルーズトレイン(豪華列車)の導入」を提起。美しい日本の自然や上質な日本を楽しんでほしいとの方針に基づくものだが、今回はその列車の外装・内装が発表されることになった。
列車デザインのコンセプトは「時間と空間の移り変わりを楽しむ列車」。KEN OKUYAMA DESIGNの奥山清行氏のプロデュースに基づいたインテリア、まさにJR東日本のフラグシップ的な列車としてふさわしい外装を創り上げるため検討を進め、今回のイメージ構築となった。
エクステリアは車両の特性に合わせた窓の形状が大きな特徴となる。先頭車は乗客がダイナミックに流れる自然の景観を感じとれるよう、ガラス張りの形状とし、外観を肌身を持って見聞きできるような雰囲気が楽しめる。編成の中ほどにあるラウンジ車両では大きなエントランスドアを設け、ラウンジ全体を覆う樹木のような有機的な窓を配し、自然の中に配されたリッチなホテルのラウンドのような雰囲気を醸す。

↑ 先頭車両の展望エリア。大きな窓から見える情景が魅力的

↑ ラウンジエリアはまさに「動くホテルラウンジ」。高い天井がゆとりある空間を演出する
ダイニングエリアは昭和の高級レストランにおける雰囲気を覚えさせる体裁で、こちらもまさに「古き良き時代のハレの空間」での食事空間となる。

↑ ダイニング車両
客室はデラックススイートルームがメゾネット・フラットタイプを各1室、計2室。スイートルームは計15室で、そのうち1部屋はバリアフリーに対応。デラックスは現在メゾネットタイプのイメージが公開されているが、和を基調としつつも新しさを覚える、まさに昭和後期の落ち着いた、上質できめ細やかさを覚えるリッチ感を演出している。

↑ デラックススイートルーム・メゾネットタイプ
ビジュアルの端々、そして文面からもかもされる雰囲気にある通り、今回発表されたイメージからは、「クルーズトレイン」が昭和の古き良き時代に懐かしみを覚えることが多い、団塊世代へのアピール感の強いものとして仕上げられている事が分かる。未来的思考というよりは、和を基調として秩序だった、そして不思議な安心感を覚えさせる、「昔ながらの『皆があこがれる超高級ホテルでのひととき』」を列車内で堪能できる環境を提案しているように見える。いわば「レールの上を走る超高級ホテル」といったところか。
JR各社が計画している、豪華な旅を提案する専用列車はここ数年の間に完成し、相次ぎ運行を開始することになる。オリンピック需要も合わせ、どのような客層が利用することになるのか、完成後の走行風景も合わせ、今から色々と気になる話ではある。
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