西日本鉄道各社では「優先座席付近では”混雑時には”携帯電話の電源をお切りください」に変更へ
2014/06/26 07:00



↑ 今回のマナー提示内容変更に伴い展開される協同ポスターデザイン
従来西日本の鉄道事業者各社においては、車両内の携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォン双方)の利用時におけるマナーとして、優先席付近では終日、電源を切るように案内していた。また一部事業会社では「携帯電話の電源オフ車両」を設け、その車両内ではどのような場所でも電源を切るよう勧めていた。
一方総務省では2013年1月から「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」を改正し、これまで携帯電話端末と埋め込み式医療機器の装着部分との距離について22センチ程度以上としていたものについて、(第二世帯携帯電話サービスの終了を受け)15センチ程度以上に短縮するなどの見直しが実施された(【平成24年度電波の医療機器等への影響に関する調査結果及び当該結果に基づく「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の改訂】)。また携帯電話の利用スタイルも、携帯電話のタイプが従来型からスマートフォンへ、コミュニケーションツールとしての利用も通話からメール・ウェブ利用にシフトしつつある。これらの状況変化を受け、今回の変更が成されることになった。
7月1日以降の携帯電話関連の案内では、「優先座席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください」となり、これまでの案内文言に「混雑時には」が加わることになる。これは公知ポスターにもある通り、利用客同士の身体が触れ合う程度の混雑となると、指針の上での「15センチ程度以下」に抵触してしまう可能性が生じるとの理由によるもの。
他方、携帯電話による「通話」は、総務省の電波関連による指針に関わらず、周囲の利用客の迷惑になることから、これまで通り混雑度を問わず、遠慮願うように呼びかけを行うこととなる。
携帯電話やコミュニケーション絡みの調査の結果にある通り、携帯電話の利用が通話からメールやウェブサービス(特にソーシャルメディア)にシフトし、利用機種も従来型からスマートフォンが多勢を占めるようになりつつある。以下は【若者のコミュニケーションはメールからソーシャルメディアへ…意志疎通メディア利用状況を探る(2014年)(総務省)】におけるグラフの再録だが、コミュニケーションツールとしてのメディア利用時間が、多分に通話からインターネット系サービスにシフトし、主力となっている実情がうかがい知れる。

↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2013年、分)

↑ コミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日、2012年から2013年への変移、分)
総務省の指針も大きな要因ではあるが、携帯電話の利用環境の変化が、鉄道車両内での公知マナーの変更ももたらした実状には、感慨深いものがある。今件は西日本にある鉄道事業会社各社によるものだが、総務省の指針改定や携帯電話の内部事情の変化は日本全体に渡るものであることから、同じような動きは恐らく東日本側でもなされることになるだろう。
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