JTが「桃の天然水」「ルーツ」などの飲料製品の製造販売から撤退、今年9月末をめど

2015/02/05 07:01

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桃の天然水味JTは2015年2月4日、同社が展開している事業のうち飲料製品の製造販売事業から撤退することを発表した。同社取締役会で決定した。同年9月をめどに、飲料事業部及びジェイティ飲料株式会社で行っている飲料製品の製造・販売を終了する。JT側では今回の撤退決定について、業界内の商品サイクルの短期化が進み、経営資源の配分における最適化の観点から決定したと説明している(【発表リリース:JT 飲料製品の製造販売事業からの撤退について】)。


↑ JT飲料事業のビジネス構造。赤破線内が製造販売事業
↑ JT飲料事業のビジネス構造。赤破線内が製造販売事業

↑ 現在のJT内の飲料商品一覧業
↑ 現在のJT内の飲料商品一覧

JTの飲料製品の製造販売部門では、現在「ルーツ」などのコーヒー飲料、「桃の天然水」をはじめとした各種清涼飲料、「ローヤルスター」シリーズで構成される栄養ドリンクなど、多方面の飲料製品を展開している。2014年3月期時点で年間売上は約500億円。

飲料市場は市場そのものの成熟化に伴いスケールメリットが多分に大きな商品価値への影響を及ぼすようになり(売れる商品はそれ自身が商品価値となりますます売れる、二番手三番手との差が広がる)、商品ライフサイクルが短期化して開発部門へのリソースが一層求められるようになるなど、これまで以上にコストが割高なビジネスが求められる環境となりつつある。

JT側では1988年にこれらの飲料事業に参入し、多彩な商品を開発・販売してきたが、このような状況を踏まえ、中途半端なリソース投入では満足する成果を得られず、グループ全体の成長への貢献も難しいと判断。より効果的なリソース再配分のために、今回飲料製品の製造販売事業からの撤退を決定した。要は「費用対効果の観点で利益を生み出すことが難しい環境になったために該当事業からは撤収し、より効率性の高い事業に経営資源を振り分ける事を決めた」との説明となる。

JT側では飲料事業部の社員には配置転換、ジェイティ飲料の社員にはJTへの再雇用を基本とし、労働組合側に協議申し入れを行うとしている。一方飲料事業ビジネスの中でも商品開発部門には該当しない自販機オペレーター事業子会社(ジャパンビバレッジグループなど)は今後も事業を継続すると共に「今後さまざまな可能性を検討」するとのこと。

JT飲料部門で展開されているブランド「桃の天然水」「ルーツ」などに関する今後の展開方針は現時点で説明は無い。同業他社への売却や移転もありうるが、商品の立ち位置的にはすでに同等のものを他社も多数発売しており、まさにそのような状況による市場飽和的な状態が今回の決定を導いた一因であることを考えると、存続は難しいかもしれない。


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