「小学五年生」「小学六年生」が休刊・来年春に学習まんが誌「GAKUMANPLUS」を創刊へ
2009/10/27 07:22



小学五年生と小学六年生の11月号
「小学五年生」「小学六年生」は小学館が発行している小学生向け学習雑誌シリーズの一種で、両誌は1922年に創刊(シリーズで中は一番古い)。数々の連載漫画を生みだし、一時期は発行部数も50万部前後に達していたが、最近では少子化や趣味趣向の多様化でその数を減らし、5万部強で推移していた。さらに世情の動きに対応するため、両誌、特に「小学六年生」は子供向けというより「ローティーン向け」の総合誌としての色合いを強くし、版形もA4ワイド判に変更されていた。しかし売上の低迷を抑えることはできず、今回の休刊措置に至ることになった。

2007年度と最新データによる小学生向け雑誌の印刷実績(再録)

小学館の小学生向け雑誌の印刷実績(2009年4-6月、日本雑誌協会データ)
【「猫と犬、雑誌で人気なのはどっち?」その他色々な雑誌の部数変化をグラフ化してみる】におけるデータと直近データを併記したが、季節属性などがあるとはいえ、状況がますます悪化していたのが分かる。また、「小学-年生」シリーズ中では特に今回休刊する二誌の販売実績が特に悪かったのも見て取れよう。
小学館側では今回の休刊について「学年別学習雑誌の編成等について、長期的展開を視野に入れ再構築の検討を重ね」た結果であると説明しているが、読者となる子供たちの趣味趣向の多様化と情報の細分化、さらには情報スピードの高速化と広域化に2誌がついて行けなくなったのが少なからぬ理由であることには違いない。
リリースでは今回の休刊の代わりに「楽しく好奇心を刺激する」をコンセプトに、2010年春に新たに“学習まんが雑誌”「GAKUMANPLUS(ガクマンプラス)」(仮題)の創刊を予定しているとも発表している。いわく、「“学習まんが”は以前から子どもたちに広く読まれており、読者層が幅広い年齢層にも広がり、海外での出版活動でも大きな発展が見込まれている分野」であり、「“学習まんが”を軸に図解の手法なども駆使して、新たな”学習雑誌”の展開を進めて」いくと説明している。
今回の説明通りなら、小学校高学年向けの雑誌としては、ローティーン向けグラビア雑誌化した「小学五年生」「小学六年生」から、「学習まんが」へ方向転換(ある意味温故知新的なもの)を図ることになる。具体的にはどのようなスタイルになるのだろうか。具体的な姿を見せるのはまだ先の話だが、気になるところではある。

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