集英社の「ウェブ立ち読み」、7点・530ページ超追加で計8点へ

2010/06/09 06:39

ウェブ立ち読み集英社の書籍出版を担当する関連会社・集英社インターナショナルは2010年6月4日、先に【書籍の三分の一から半分までをダウンロードで無料提供…集英社が「本格的ネット立ち読みサービス」開始】で報じたウェブ立ち読みサービスについて、スタート時の掲載誌「出世力」に続き7点・計530ページ超のPDFデータを同年6月5日から提供する(した)と発表した。これでラインアップは全8点となる(【発表リリース】)。

↑ ウェブ立ち読みのページ。分割版と統合版が用意してある。
↑ 就寝時、あなたと携帯電話の距離は平均どのくらいですか?(プライベートの携帯電話保有者限定)

↑ 書籍名をクリックすると詳細データや販売サイトへのリンクが。
↑ 書籍名をクリックすると詳細データや販売サイトへのリンクが。

「ウェブ立ち読み」は先の記事にもあるように、従来のウェブ上での「試し読み」サービスで良く見られた「数ページ規模」「冒頭からとは限らない」などのハードルを取り払い、実際の立ち読み同様の「ネット立ち読み」をしてもらうがため、一人ひとりのパソコンにPDFファイルをダウンロードする形で「立ち読み用の媒体を提供する」というもの。仕様としては

・前書き、目次、少なくとも冒頭の100ページ(全体の二分の一-三分の一が目安)を提供
・提供形式はPDFファイル
・特殊な専用リーダーやパスワードは必要とせず、普及しているPDFリーダーがあれば読める
・閲覧制限は無し。「お友達に渡していただいてけっこうです」との言及あり
・印刷、コピーは不可
・最終ページにネット書店へのリンク、リアル書店への注文用紙が添付されている
・公開期限は無制限

が原則で、大胆なものとなっている。

リリースによれば4月に公開を開始した第一弾「出世力」については数万を超えるダウンロード数を記録。そこで今回の更新では7点を新たに加え、勢いをさらにつけることになった。今回公開される書籍データと公開ページ数は次の通り。

『日本の安心は、なぜ消えたのか』山岸俊男(86ページ)
『指の魔法』菊池和子(44ページ)
『資本主義はなぜ自壊したのか』中谷巌(102ページ)
『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』佐野眞一(95ページ)
『江戸の数学教科書』桜井進(64ページ)
『僕は、字が読めない』小菅宏(73ページ)
『私が「にんぎょひめ」だったころ』太田光代(68ページ)

なおリリースには「今回の提供にあたって、弊社の著者にご相談の連絡をしたところ、どの方からも連絡後、30分以内に『OK』という快諾の知らせをいただきました。この事実に、著者のみなさんも現在の出版状況に対して深刻な危機感をお持ちだということを改めて実感した次第です」との言及が確認できる。底の見えない出版不況の現状において、著者も出版社も考えている人たちは必死になって知恵を振り絞り、前に進もうと努力している様子がうかがえる。

個人的には1冊あたりのダウンロード量が他のサービスと比べて多いため、冊数が増えてきた時のサーバー負荷は大丈夫だろうかという野暮な心配もある。一方でリリースでもちらりと触れていた、iPadなど大型画像を持つ電子端末の普及で、今サービスがこれまで以上に注目を集め、結果として掲載書籍が注目を集める可能性も増えてきた。今後の同サービスの展開や、「具体的な」成果も含め、注目していきたいところだ。

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