1日2.4件のペース・鉄道係員への暴力行為、2009年度は869件

2010/07/08 19:30

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鉄道日本民営鉄道協会、JR東日本、JR東海、JR西日本、仙台市交通局、東京都交通局、大阪市交通局、愛知環状鉄道は2010年7月7日、2005年4月から2010年3月(2005年度-2009年度)の5年間に発生した、駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の件数の集計を行い、その結果を発表した。2009年度に発生した暴力行為の発生件数は869件で、前年度752件から100件以上増加を見せ、非常に憂慮すべき状態が続いている(【発表リリース】)。


今調査結果は、大手民鉄16社・JR3社・仙台市交・東京都交・大阪市交・愛知環状の計23社局を対象に行われた集計結果をまとめたもの。週末の22時以降、飲酒を伴った場合に多発する傾向があることや、年齢階層では幅広い年代に分布していることなどが伝えられている。

発表されたデータについて概要をまとめると、次の通り。

年度別駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の発生件数
年度別駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の発生件数

駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の発生場所
駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の発生場所

・発生件数は大幅に増加。1日約2.4件の割合。
・7月、3月などの長期休暇時、あるいは年末にやや多めに発生。
・週末の土日に発生しやすく、月曜日は少なめ。
・深夜帯(22時から翌日5時)がもっとも発生しやすい。
・飲酒ありのケースが57.4%と過半数。
・年齢階層は20代-50代、60歳以上でほぼ同数(60代以上でも19.3%)。
・発生場所は改札がもっとも多く45.2%。去年比で約10ポイントの大幅増。

鉄道具体的発生事例は掲載されていないが、傾向を見ると、「深夜酒を飲んで酔っ払ったサラリーマンなどが係員に絡む」「自動改札口でうまく通過できずに係員とトラブルを引き起こす」などの状況が容易に想像できる。特に2009年度は改札の値が10ポイントも増えており、後者の事例が増えたようだ。また、事故や台風などの天災で電車の運行に遅れが出た場合において、係員に八つ当たりする場面も考えられよう。さらに60歳以上の高齢者でも2割近い168件の発生事例が確認されており、世代を問わずに発生している事が分かる。

無論これらの行為が正当化されるはずはなく、日本の現行法に従い厳正な処罰が行われることになる。「お酒を飲んでいたから」「むしゃくしゃしたから」「台風で電車が止まったから」などの理由は理由にすらならない。むしろ日々の生活に欠かせないインフラを支えている人たちの成果を無にするような行為は、厳に処されて当然といえよう。

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