【更新】としまえんの回転木馬、「機械遺産」に認定

2010/08/08 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
カルーセル・エルドラド(黄金郷)社団法人日本機械学会は2010年8月7日までに、2010年度認定分の機械遺産6点を発表した。その中に東京都練馬区内の遊園地「としまえん」に設置され、100年以上の歴史を持ちながら今もなお稼働中の回転木馬「カルーセル・エルドラド(黄金郷)」が含まれていることが明らかになった。としまえんでもこの機械遺産認定について、7月26日の時点で発表している([としまえんリリース]、【日本機械学会内解説ページ】)。



↑ カルーセル・エルドラド(黄金郷)のようす。
↑ カルーセル・エルドラド(黄金郷)のようす。【直接リンクはこちら】

「カルーセル・エルドラド」は1907年にドイツでドイツ人のヒューゴー・ハッセ氏によって製作された木製の回転木馬。ヨーロッパ各地を巡業したあと、アメリカのニューヨーク市コニーアイランドにある遊園地に移され、1964年に閉園するまで、多くのニューヨーク市民に利用された。その後、解体され倉庫に眠り、廃棄直前だったものをとしまえんが購入し、製作当初の姿によみがえらせたもの(一部報道によれば2億8800万円の修復費がかかったとのこと)。1971年4月3日よりとしまえんに登場し、それ以降、現在も年間30万人を超えるお客を夢の世界へといざなっている。

日本機械学会によれば「20世紀初頭のアール・ヌーヴォー様式の装飾が施された芸術作品と機械技術がみごとに融合した、顕著な例を見ることができる」とのことで、原動機部は当初のものではないが、上下運動を伴わないシンプルな構造の回転木馬で、3つのステージが摩擦駆動により異なる回転速度で動く特徴をもっている。

としまえん側では「今回の機械遺産認定を受け、これからもこの回転木馬に乗る人、見る人に夢やほほえみをもって楽しんでいただけるよう、大切に運営してまいります」とコメント。日本機械学会側も「乗る人・見る人を魅了し、親しまれ続けているこの回転木馬は、所有者の高い保存・継承・活用の意志のもと、わが国のみならず、訪れる世界の人々に夢と楽しみを与え、生活文化の向上に大きく貢献し続けている」とし、ほぼ絶賛に近い形の評価をしている。

まるでおとぎの国、夢の世界のような情景が目の前に広がる感すらある「カルーセル・エルドラド」。名前に恥じないだけの魅力を持つ今機が、今回「機械遺産」という勲章をいただいたことで、ますますその魔法の力を発揮し、多くの人に夢を与えてくれるよう願いたいものだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサードリンク


関連記事


▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2020 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー