学生・若年層向け労働法ハンドブック、厚生労働省がPDFで無料配布

2010/09/17 05:17

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契約厚生労働省は2010年9月15日、就職をひかえた学生や若年層が働く時に知っておくべき「労働法」を学ぶ上で、必要となる事項をまとめたハンドブック「知って役立つ労働法-働くときに必要な基礎知識-」をPDFファイルの形式で公開した。印刷版は学生職業センターのほか、全国の大学や短期大学にも送付される(【発表リリース】)。


↑ 知って役立つ労働法-働くときに必要な基礎知識-表紙部分
↑ 知って役立つ労働法-働くときに必要な基礎知識-表紙部分

今ハンドブックは2009年2月に「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書」の中で「労働関係法制度を知ることは、労働者・使用者双方にとって不可欠であり、わかりやすさを最優先にしたハンドブックなどを作成・配布するといった取組を強化すべき」という指摘を受けたことを踏まえて作成されたもの。ページ構成は次の通り。

第1章 労働法について
1 労働法とはなんだろう
2 労働法の役割とは
3 労働組合とは

第2章 働き始める前に
1 労働契約を結ぶとき5
2 就業規則を知っていますか7
3 安心して働くための各種保険と年金制度7

第3章 働くときのルール
1 労働条件が違っていたら
2 賃金についてのきまり
3 労働時間と休憩休日についてのきまり
4 安全で快適な職場環境のために
5 男女がいきいきと働くために

第4章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき
1 会社を辞めるには(退職)
2 会社を辞めさせられるとは(解雇)
3 会社が倒産したら
4 失業給付
5 職業訓練、訓練期間中の生活保障

第5章 多様な働き方
1 派遣労働者
2 契約社員(有期労働契約)
3 パートタイム労働者
4 業務委託(請負)契約

働く人のための相談窓口

特徴としては「就職を控えた大学生や社会人に限らず、高校生や様々な人が理解できるように、分かりやすさを重視して作成」「労働法の全体像を把握できるよう、労働に関する幅広い分野や法律をカバー」「作成に当たっては、労使団体や学識経験者、NPO法人などから幅広いアドバイスを得て、内容を充実」などを掲げている。

契約ざっと目を通した限りでは、労働関連の法令専門書などと比べれば確かにシンプルにまとめられて分かりやすいのだが、それでも「教科書的な冊子」に留まっているところが残念。例えば「分かりやすい参考書」なら状況や概念、仕組みを把握しやすいよう、イラストや図解を各所に配したりするのが定石だが、その類を一切見つけることができなかった。恐らくは配布先のことを考慮して文字のみの書面にしたものと思われるが、本当に高校生やその他の就労者・就労予定者(特にパートタイムや派遣社員などの非正社員)に手にとって目を通してもらうためには、そのような配慮が望まれよう。

ともあれ文章レベルでは理解しやすい出来栄えなのは事実。労働法は知っておいて損は無く、何かあった時には必ず自分にとって武器となり防具となるもの。特にこれから就職する人にとって、一度は目を通しておいて損は無い。

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