お米の作況指数は99・平年並み、春先までの日照不足の影響
2010/10/02 19:30


発表によれば2010年9月15日時点で作付面積は165万7000ヘクタール。前年から2万ヘクタールの増となる。しかし主食用米の分は158万ヘクタールとなり、前年比で1.2万ヘクタールの減少。これは今年度から始まった戸別所得補償モデル対策の実施に伴い、お米の減反への参加が所得補償の条件となったため(加工用米などにシフトしている)。
現時点の推定値、観測結果は次の通り。
・主食用米の予想収穫量……830万8000トン
・地域毎の作柄:
北海道……6月上旬以降の高温で穂数が減少
東北……6月上旬までの低温で全もみ数が少なかったがその後は順調
関西以西……7月中旬までの低温・日照不足で全もみ数が平年以下、登熟は平年以上

↑ 地域単位の作況指数
・地域毎の作柄:
北海道……6月上旬以降の高温で穂数が減少
東北……6月上旬までの低温で全もみ数が少なかったがその後は順調
関西以西……7月中旬までの低温・日照不足で全もみ数が平年以下、登熟は平年以上

↑ 地域単位の作況指数
毎月更新の日照時間の計測記事にもあるように、7月以降は低温・日照時間の少なさからも脱し、むしろ平年以上の日照りとなった。しかしやはり6-7月中旬までの日照時間不足はお米の作柄に影響を与えていたようで、「夏は猛暑だったので春の日照不足も補って大豊作」という都合のよい話にはならないようだ。

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)(再録)
また、単に「日が当たりまくればよい」わけでもなく、7-8月の猛暑がお米の収穫高はともかく、品質に大きな影響を与えたとの報道が多数伝えられている。【検索すれば一目瞭然】だが、例えば[Web埼玉]では
収穫期を迎えた埼玉県産ブランド米「彩のかがやき」が記録的な猛暑の影響でピンチに立たされている。高温障害で収穫量が落ち込んでいる上、流通の指標となる全国共通の品質検査で規格外が多発。同品種の誕生以来、初めてとなる深刻な事態にJA北埼幹部は1日、エリア内の加須、羽生、行田、鴻巣の4市を訪れ、窮状報告と販路確保などの支援を要請。県も状況を重く受け止め、支援に向けた検討を本格化させた。
(中略)
関係者によると、出穂期の気温が影響している。水稲は全品種が出穂から約20日間の平均気温が27度を超すと品質が低下するといわれている。出穂期が7月下旬-8月上旬のコシヒカリに比べ、彩のかがやきはお盆以降の8月中旬-9月上旬にかけてが主流だ。
(中略)
関係者によると、出穂期の気温が影響している。水稲は全品種が出穂から約20日間の平均気温が27度を超すと品質が低下するといわれている。出穂期が7月下旬-8月上旬のコシヒカリに比べ、彩のかがやきはお盆以降の8月中旬-9月上旬にかけてが主流だ。
など、具体的に夏の高温が大きな影響を与えたことを示している。
中期予報によれば今年は今後お米の収穫時期まで、日照時間や気温に関して平年と比べて大きな違いはなさそうだが、収穫されるお米の出来具合が心配。お米の作柄に対し夏前までの異常気象は少なからぬ影響を与え、その影響を補完するかのように思えた夏の酷暑もまた、お米に対してはマイナスの面もあったことになる。
少なくともお米の収穫時期までは、毎月の日照時間計測の定期更新記事の展開を続けると共に、折に触れてお米の生育状況もかいま見ることにしよう。

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