ファミマと毎日新聞が宅配事業の実験を開始・「買い物弱者」対策で

2010/11/26 07:00

新聞配達[ファミリーマート(8028)]は2010年11月25日、毎日新聞社と共同で、ファミリーマート商品の宅配実験を実施することで合意したと発表した。今年の12月から大阪市や堺市内のファミリーマート直営店8店舗で実験を開始する。主に【「買い物弱者」を支える事業に2/3・上限1億円まで補助金】でも報じたいわゆる「買い物弱者」に対応するためのものとしている(【発表リリース】)。

↑ 宅配実験概念図
↑ 宅配実験概念図

過疎化が進む農村部や都市近郊部における旧来型集団住宅での「食料品などの日常の買物が困難な状況に置かれている人」のことを「買い物弱者」と呼んでいるが、ファミリーマートではこれに加え、都心部のオフィス街においても高額賃料などの理由により商店が出店できない地域もあり、昼食の買い物に不便を感じている人が少なくないことを確認している。そこで今回両社は「ファミリーマートが持つ店舗網」「各地域に密着している毎日新聞の販売店」という双方が持つインフラを活用した宅配事業を通し、買物に対する不便を解消し、地域での快適な生活のサポートを試みることになった。

具体的には

●毎日新聞
折込広告での営業、商品の配達、集金などの業務(新聞購読料と商品宅配料)を、14か所の毎日新聞の販売店が担当。また、本スキーム構築のために、顧客への意見収集も実施。

●ファミリーマート
宅配の電話での受注、商品の用意を指定のファミリーマート店舗で実施。前日13時までの注文があれば翌日12時前後に到着予定。

というスキームを採る予定。

ファミリーマート側では、まず店舗近隣のオフィスの昼食需要への対応として、昼間のオフィスへの宅配から開始。その後、特に中高年の顧客を中心とした個人宅向けの宅配も順次開始する計画。ファミリーマート店舗が電話で受付し、配達は新聞販売店の担当者が来訪するので、パソコンのない人や操作が苦手な人でも利用することができる。そして今後は、実験結果を検証したうえで、サービス店舗、地域の拡大などを検討するとのこと。

先の「買い物弱者」の記事でも触れたが、新規事業をわざわざゼロから叩きあげるより、既存のビジネスの拡大や組合せによるものの方が、そしてミスマッチ部分を調整させる方が、多くの面でプラスとなる。今回は地域密着のビジネスを行うコンビニと新聞販売店という、興味深い組合せによるもので、コロンブスの卵的な発想と言える。特に「人の手配は出来るが商品が無い新聞販売店」「商品はあるが直に届ける手段がないコンビニ」のマッチングは、指摘されれば「なるほど」とうなづく人も多いはず。

宅配もっとも「新聞販売員にコンビニ商品の営業をさせて良いのか」「営業担当だけで宅配業務を任せきれるのか(新聞そのものの配達はアルバイトによるものが多く、しかも朝刊・夕刊配達時のみ)」「新聞販売店と新聞社本社は別会社扱いであり、何かの際には半ば切り捨てる行動を多々見せる新聞社に、今件業務を任せて問題は無いのか(新聞販売店の不祥事の際の新聞本社側の対応から明らか。仮に「新聞本社が責任を持つ」と姿勢を改めた場合、これまでの姿勢を改めてその他諸々の点まで「一心同体」となる必要がある)」など、気になる点も少なくない。

これらの問題点などを今後実証実験の中で検証し、より良いスタイルの仕組みを提供していくよう、両社、特にファミリーマート側には求めたいものだ。同様の宅配システムを構築しうる企業には、他にも例えば某乳酸飲料を提供する会社、主要インフラを提供する会社など、様々な可能性・パターンが想定できるのだから。

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