角川ら「東京国際アニメフェア」不参加企業ら、同日に幕張メッセで「アニメコンテンツエキスポ」開催を発表

2010/12/29 06:30

対抗【角川グループホールディングス(9477)】の100%子会社角川グループパブリッシングは2010年12月28日、先に【角川書店、都青少年健全育成条例改正案に「異議あり」として東京都の「東京国際アニメフェア」不参加表明】【角川書店に続き、主要出版社から成る「コミック10社会」構成各社が東京国際アニメフェアへの参加拒否】なとでお伝えした、東京都の都青少年健全育成条例改正に反対する主旨で【東京国際アニメフェア】への出展を取りやめた件について、フェアの歴史や意義への評価、アニメ関連企業の新作お披露目の場の有意性を考慮し、アニメ関連企業有志による共同イベント「アニメコンテンツエキスポ」の開催を決定すると共に、同準備委員会を設立したと発表した。開催予定会場は千葉県の幕張メッセ、開催日程は2011年3月26日・27日で、「東京国際アニメフェア」の一般日と同日開催になる(【発表リリース】)。

↑ 現時点での「東京国際アニメフェア」
↑ 現時点での「東京国際アニメフェア」

今件は上記リンク先記事にもあるように、東京都が先日可決成立させた「都青少年健全育成条例」の主旨内容と成立プロセス、さらには推進する関係者の対応に異議を唱えた出版関係者が、抗議の意を示すため、その東京都などによって開催される(主催は東京国際アニメフェア実行委員会、実行委員長は石原慎太郎氏(東京都知事))「東京国際アニメフェア2011」への不参加を表明したことに連なるもの。発表リリースの主旨部分は次の通り。

『アニメ コンテンツ エキスポ』開催に関するお知らせ
アニメ コンテンツ エキスポ準備委員会

先に発表され皆様ご存知の、東京都青少年健全育成条例改正に反対する、社団法人日本漫画家協会、21世紀のコミック作家の会、マンガジャパン、コミック10社会ならびに日本動画協会の声明について、我々はこれを支持いたします。

そのため、2011年3月に開催予定の石原慎太郎東京都知事が実行委員長を務める「東京国際アニメフェア」(以下「同フェア」)に参加を予定していた我々の多くが、条例改正反対を理由に、誠に残念ながら同フェアへの出展を取りやめることといたしました。

しかしながら、同フェアの歴史や意義についてはこれを高く評価しており、これまで同フェアの事務局として多大な貢献をされた日本動画協会には深く敬意を表しております。

一方で、同フェアを楽しみにされていたファンの皆様のお気持ちを考え、2011年春から夏にかけての有力な新作に関する最新情報が出揃うこの時期に、何らかの形で発表の場を設ける事を検討してまいりました。

その結果、全国から集まるファンの皆様の利便性やご予定、さらには会場の空き状況などを考慮し、下記の要領でアニメ関連企業有志による共同イベント『アニメ コンテンツ エキスポ』の開催を決定いたしました。

微力ながら、ファンの皆様にお楽しみいただける場となりますよう努力してまいります。

また、志を同じくする各企業の輪を広げ、実施内容の充実を図ってまいりますので、ファンの皆様および関連団体のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

なお、詳細に関しては、2011年1月より順次発表してまいります。

主旨部分をさらにまとめると、「抗議の意で参加を取りやめたが、イベントの意義そのものは認め、関連会社の新作のお披露目の場は必要であるし、ファンの『新作に触れたい』という気持ちも分かる。そこで同様の主旨を持つイベントを独自開催することになった」というところ。冒頭にもあるように、開催場所は千葉の幕張メッセ、開催日は2011年3月26日・27日と、奇しくも「東京国際アニメフェア2011」の一般開催日と同日。このスケジュールについて、現時点では明確な説明は行われていない。

今件イベントを推進する「アニメ コンテンツ エキスポ準備委員会」に名を連ねているのは「アニプレックス」「アニメイト」「角川書店」「キングレコード」「ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社」「フロンティアワークス」マーベラスエンターテイメント」「メディアファクトリー」。角川自身とそのグループ会社、さらには同社コンテンツと深い関わり合いのある会社が確認できる。

委員会内にアニメ制作で著名な「アニプレックス」が確認できる。同社はソニー・ミュージックエンタテインメントの100%子会社であることを考えると、この系統のアニメや漫画のコンテンツ関連会社も「アニメ コンテンツ エキスポ」へ参加することが予想される。また当然ながら「東京国際アニメフェア」への出展を辞退した「コミック10社会」も、こちらへ参入することはほぼ確実と見られる。

気になる点を2つほど
現時点で気になる点を二つほど。まずは「アニメ コンテンツ エキスポ」側。開催に至るまでの過程がこのような突発的なものによることもあるが、委員会設立から開催まで実質3か月しかない。

通常この規模のイベントを開催するには半年から1年ほどの時間を有するだけに、委員会側では大立ち回りが必要になる(ノウハウそのものは「東京国際アニメフェア」での経験が活かせるが)。もっとも参加予定の企業の多くは、「東京国際アニメフェア」に出展予定だったものをそのままこちらに流用するだけなので、移動スケジュールなどをのぞけばさほど問題は無い。やはり委員会側の機動力・柔軟性に注目が集まる。

もう一つは「東京国際アニメフェア」。圧倒的なコンテンツ不足に陥っているのが現状だが、「アニメ コンテンツ エキスポ」の開催決定で今後さらに出展企業が減少する可能性は否めない。開催そのものも危ぶまれる声があるだけに、今後が気になるところ。

お金の計算さらに仮に開催できたとしても収支上の問題が発生する。【アニメフェア2011開催概要】には昨年のイベントでの決算報告書と今回の予算案が提示されているが、4億円近い収入(予定)のうち、都の負担金は1.25億円、協賛金は3000万円、ブース使用料収入などが1.38億円、繰越金が6500万円ほどとなっている。このうち協賛金は広告協賛などによるもので協賛会社が返金を求めても難しいだろうが、ブース使用料収入などは大きく削がれることになる。

一方で支出はすでに発生してしまったもの・取り消しができないものが多く、結果として採算ベースで大きなマイナスが生じる可能性が高い。繰越金の部分を融通すれば今年は何とかなるだろうが、来年も同様の状況が続いた場合、「東京国際アニメフェア」が半ば「兵糧攻め」を受けた形となり、そのものの存在意義が問われることになる。

その場合、会場の提供だけでなく金銭面でも多くを負担している東京都の責任問題にも発生することも考えられよう。

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