松井証券、少額売買での手数料を再び無料に

2011/01/19 06:42

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松井証券イメージ【松井証券(8628)】は2011年1月18日、同年1月24日の取引分から1日の株式約定代金(現物・信用取引の合計)が10万円以下の場合、この手数料を無料とすることを発表した。これまでは同条件下では21円の手数料が発生していた。また2月中旬をめどに、新規信用取引口座開設の顧客に対して口座開設以降6か月間は、この無料枠の範囲を「約定代金30万円以下」に拡大することも明らかにしている。同社の少額取引での手数料の無料化は、2009年11月の有料化への切り替え以来のものとなる(【発表リリース】)。


↑ 松井証券の新旧手数料体系
↑ 松井証券の新旧手数料体系

松井証券ではかつて2004年3月から2009年11月までの間、株式約定代金10万円以下の手数料について無料にしていた。しかしその無料サービスの主旨とされていた「初心者でも株式投資を始めやすい環境を整備する」目的は果たせたとし、2009年11月16日から21円の手数料を取得するように料金体系を変更していた(【該当発表リリース】)。

今回松井証券が再び手数料を無料とし、さらに信用取引口座の新規開設者に対しサービスの拡大を行うようになった背景には、同リリースのPDF版において次のように説明されているように、市場の低迷・非活性化がある。

昨年1年間の主要三市場における個人株式売買代金は、前年からさらに18%減少し約119兆円となり、三市場全体の売買代金に占める個人の比率も18%まで低下しています。今回、少額投資の手数料を無料化することで、新たな投資家を株式市場に呼び込み、個人投資家の取引が活性化することを期待しています。

【日米の家計資産推移をグラフ化してみる(2010年3Q分)】などを見ればお分かりのように、一時は「貯蓄から投資へ」のスローガンと共に日本でも少しずつ投資に対して注目が集まるようになったが、金融危機の勃発、悪質な業者などによる「投資」と「投機」のすり替えや、無理解な考えに基づいた無責任な報道、昨今の投資を是としない政策の転換などにより、むしろ「投資から貯蓄へ」と流れが逆行しているのが現状。当然、東証での出来高も減退を続け、リリース文言にもあるように、特に個人投資家の参加機会が減っている。

少額取引の手数料無料化で、例えば【原油価格連動型ETF「WTI原油ETF(1671)」が8月3日に上場】で紹介したような商品系ETFをはじめとする、各種少額投資が可能なETFへの投資が手数料無料で行えるようになる。この点だけでも諸手を挙げて喜ぶ人も多いだろう。今回の手数料無料化により松井証券の考え通り、個人投資家の取引が活性化することもまた、大いに期待したいところだ。

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