JR西日本、地震に伴う車両保守部品不足・4月下旬以降に列車運行で影響示唆

2011/03/24 07:03

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直流電動機カーボンブラシ【JR西日本(9021)】は2011年3月23日、東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の発生に伴い、運転に必要な車両保守部品を製作するメーカーの生産設備が被災、さらに計画停電で各種部品の供給力が低下している事を受け、部品調達のめどが立たない状況がこのまま継続すると、もっとも早い車両では同年4月下旬から運転できないものが出始めることを発表した。これに伴い列車の運転休止などを実施、極力長期にわたるダイヤの確保を図るとし、運行計画の見直しを実施。状況によってはさらに踏み込んだ計画の検討も行うとしている(【発表リリース】)。


↑ 直流電動機ブラシ(直流電動機カーボンブラシ)
↑ 直流電動機ブラシ(直流電動機カーボンブラシ)

今件は一部車両(JR西日本では在来線電車4700両の約半分2300両)の運行に欠かせない車両保守部品「直流電動機カーボンブラシ(モーターを動かすのに必要)」を製作している日立化成工業の、素材製造工場(茨城県日立市)が被災。福島県双葉郡浪江町にある最終加工工場でも福島第一原発の避難区域にあるため、操業再開のめどが現在立たない状態にあることに起因する。このような状態のため同社では

・特急列車のうち該当車両を使用しているものについて、編成を短くする・臨時列車の運転を取りやめる
・普通列車のうち該当車両を用いる線区では「データイムを中心に」運転本数の見直しを行う。最大通常の70%の運転本数。京阪神エリアで予定されていた、女性専用車の終日化は当面見送り。

などの施策を打ち出している(4月・5月になると列車が動かなくなるというわけでは無い)。さらに今後部品調達の困難さが継続する場合、運転計画の見直し(運休列車の追加など)も検討している。ただし代替策による対応が可能となった場合は、通常ダイヤで運転するとも言及している。

直流電動機カーボンブラシを使う車両は私鉄各社でも利用しており、状況に進展が無ければ今後同様の措置を取らざるを得ない可能性がある。事態の推移を見守りつつ、好転化を祈りたいところだ。

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