仏からの支援物資や原発事故対策機材を満載した世界最大の輸送機An-225、成田空港に到着・荷物搬出開始
2011/03/25 13:50



↑ フランスのシャトールー空港を出発したAn-225。【直接リンクはこちら】
フランスは今回の東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)を受け、他国同様官民を問わず大規模な支援を打ち出している。今回到着したのは人道支援物資がフランス外務・ヨーロッパ問題省の危機対策センターより提供されたもので、毛布7000枚やミネラルウォーター10万本など。そして対原発事故向けとしての技術支援がINTRA(原子力事故ロボット工学的介入経済利益団体)から提供されたもので、「放射線防護および放射線量計測装備30トン」「大気モニタリング用トレーラー1台および環境放射線測定用トラック3台」「排水ポンプ10台、可動空気圧縮機5台、自家発電機5台」と発表されている。そしてこれらの大量の支援物資(総量150トン)を一度に運ぶため、非量産稼働機としては世界最大かつ世界唯一の輸送機「アントノフAn-225」がチャーターされた。
そして同機は現地時間の3月22日にフランスのシャトールー空港を出発、本日3月25日の朝に成田空港に着陸し、荷物の搬出作業を開始している。



↑ 着陸時のAn-225の雄姿(写真撮影・提供【@itackey氏】)

またこれに合わせ、フィリップ・フォール駐日フランス大使は3月26日、被災者との連帯を示すと同時に、支援物資の到着を自らの目で確かめるために仙台市を訪れる予定。同大使は在京のフランス大使館と常に連絡を取っていた現地在留のフランス人約10人とも面会を予定している。その他にもフランスの外交機関を現地で代表し、震災当初から現地在留フランス人の保護および援助で大きな役割を果たしている在仙台フランス名誉領事の飯岡智氏、アリアンス・フランセーズ仙台のダミアン・ロジェ=コカール院長にも会い、敬意を表する予定。

フランス政府及び関連機関からはすでに公開情報として開示されていること、派遣された機材やスタッフの内容・経験などを見る限り、現在なお状況が続いている原発事故の事態打開策として極めて有益なものと判断されるにも関わらず、何らかの情報開示も日本側からなされていないことは、情報公開の点でその態度を疑問視されるだけでなく、支援提供側のフランスにも失礼に当たるのではないだろうか。
ともあれ一刻も早い原発事故現場への展開と、豊富な経験を活かした有力な機材・スタッフの活躍、そして事態の鎮静化に期待したいところだ。
※写真提供:【@itackey氏】氏。Special Thanks!

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