セブンイレブン、震災で休業中の店舗駐車場へ移動販売車展開

2011/04/14 06:36

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移動販売車日本最大手のコンビニエンスストア「セブンイレブン」を運営するセブン-イレブン・ジャパンは2011年4月13日、東日本大地震の被災地復興に向けて、同社としては初の取り組みになる移動販売車の運用を、同年4月13日から本格開始すると発表した。すでに一部店舗はテスト展開として4月6日から実施している。食料品を中心に生活必需品約100品目を販売し、被災して営業が難しくなり、現在は休業中の同社店舗の駐車場を販売基点とする(【発表リリース】)。


↑ 未だ復旧が進まず破損した家屋の跡が残る周辺地域と、休業中の店舗、そして移動販売車
↑ 未だ復旧が進まず破損した家屋の跡が残る周辺地域と、休業中の店舗、そして移動販売車

今般東日本大地震・震災において、被災地におけるセブン-イレブンでは、元の立地での営業継続が難しい店舗もあり、街中の買い物拠点が減少しているエリアが随所で見られる(セブンイレブンだけを商品の購入店舗としているわけではないが、同店が営業できないならば、周囲の他小売店舗も似たような状態にあることは容易に想像できる)。このような状況においては避難している人はもちろん、自宅に住み続けることが可能な人、戻ってきた人などへの「商品購入の場の提供」という生活支援が早急に解決しなければならない課題となっている。

今回の同社側の取り組みは、店舗の営業再開に相応の時間を要する店舗オーナーに向けて移動販売車を用意するというもの。即食性のあるおにぎりや弁当、パンや飲料などのデイリー商品を中心に、ソフトドリンクやお菓子、カップ麺などの加工食品、日常生活において使用頻度の高い日用雑貨などに絞り込んだ商品約100アイテムを移動販売車へ搭載。店舗前の駐車場を販売基点として、周辺の事業所等への巡回販売も予定している。

移動販売車の構造としては、同社の冷蔵配送車(2トン車)を利用。車内に3尺ゴンドラを設置し、主に冷蔵管理されるおにぎりや弁当を陳列。加工食品や日用雑貨などの常温管理商品は車外で販売。お客は車内に入り商品をピックアップし、ハンディタイプの簡易レジを使用して清算する(レシート発行もあり)。

↑ 車内の様子
↑ 車内の様子

実施店舗は宮城県内の「多賀城大代5丁目店」「多賀城八幡4丁目店」「仙台蒲生南店」「多賀城桜木店(4月16日から)」の4店舗。同店舗はいずれも地震・津波の被害により、元店舗は休業中。営業時間は10時-16時(目安、売り切り終売)。各店舗の駐車場を販売拠点とするが、周囲の事業所や事前申請で認可されている販売所などへの移動販売も実施する。

先の【ローソン、移動販売車で岩手県へ・移動販売開始】は専用の移動販売車での展開だったが、今回のセブンイレブンの場合は冷凍配送車を流用した急造移動販売車であり、発想の柔軟性は高く評価したい(その構造上、揚げものなどの調理系の販売は不可能だが)。配送冷蔵車と運用システムに余力があれば、さらなる展開も可能となる点も期待できる。同社の簡易コンビニで、周辺地域に少しでも「日常の、当たり前の生活」が取り戻されるよう、期待したいものだ。

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