【更新】新潟県全域で大規模節電の実証実験実施・ピーク時で前年比17%、前日比9%の削減に成功

2011/04/17 19:30

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「ピークカット15%大作戦」新潟県は2011年4月14日、電力消費のピーク時間帯に電力消費を抑える実証実験「ピークカット15%大作戦」の結果を発表した。あらかじめ節電方法を提示した上で同年4月13日に実施した実験によれば、昨年同日及び今年前日と比較して、明らかに実証時間帯前後の電力消費(量)の減少が確認された。実証時間帯の17時-19時においては、前年同日比で17%もの削減率の成果が出ている(【実証実験告知資料】[結果発表資料])。


今件は先の東日本大地震で発電所が被害を受け、電力供給力が減少した東北電力管轄内にある新潟県が、電力消費のピークを迎える夏に備え提唱している「ピークカット15%大作戦」の一環。実証実験として大規模な節電啓蒙・実施運動が「第一回トライアル」の名前のもとに、同年4月13日17時から19時までの2時間に渡り、県内全域を対象として行われた。

節電の取り組みとしては多種多様にわたるが、具体例として

・不要な照明は消灯し、必要最小限にする。
・洗濯機・乾燥機、掃除機、電子レンジ、ヘアドライヤー等の大量の電力を消費する電気機器を使わない
・工場・オフィスのピーク時の操業停止や操業時間の変更
・エレベーター稼働の一部停止
・暖房(冷房)の設定温度を1度下げる(上げる)

などが挙げられる。また「全域」とは住民だけでなく小売業・製造業などの企業も対象となる。

実証実験の結果としては、実験を行った時間帯2時間における削減率は前年同日比で17%。節電が叫ばれている昨今(すでに前年比で9-10%のピーク時の節電が果たされている)と比べる意味で前日との比較では15時-16時(実証実験前)は1%、18時-19時は9%もの削減が確認された。

↑ 実証実験「ピークカット15%大作戦」「第一回トライアル」の結果
↑ 実証実験「ピークカット15%大作戦」「第一回トライアル」の結果

また、該当時間帯の電力消費が減少したことにより、一日の電力消費ピークが(相対的に繰り上がる形で)15時-16時となり、電力使用の山をなだらかなものとすることに成功した。

新潟県ではこの結果「昨年同日と比べて約17%・約40万kW」を受け、明確な文言での表現は無いものの、良好な結果として受け止めているニュアンスのある報告をしている。一定地域なり自治体では無く、県全体を使った実証実験でここまでの成果が上がったことは、高い評価を与えられよう。

一方で節電具体例を見ると、「テレビをつけずに家族全員一部屋で過ごす」「石油ファンヒーターに暖房を切り替える」「屋外水銀灯の一部消灯」などすぐに出来そうなものから、「工場の操業停止」など(通常営業時間帯ではあるものの)やや無茶ぶりをして節電したものも確認できる。

状況から鑑みて夏季においては節電の必要性が7月-9月と中長期に渡ることから、3か月継続できるか否か(休日などは除く)を考えると、実際にはもう少しゆるやかな削減になりそう。一方【東北電力の4月15日時点の見通し】によれば、今夏供給力は1210万kW、需要電力は1300万-1380万kWとの見通しで、最大170万kWの節電が求められている。他県動向と合わせ、東京電力管轄内同様に、夏に向けたさまざまな取り組みが求められそうだ。

第二回のトライアルは4月27日18時-20時に行われるとのことで、今回とはややずれた時間帯での実施となる。減少傾向にどのような違いを見せるのかが気になるところではある。


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【節電方法トップ項目「こまめに消灯」は正しい?】

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