雑誌の首都圏版「ぴあ」7月21日発売号で休刊・39年の歴史に幕

2011/04/23 06:50

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「ぴあ」映画・コンサート情報などを展開している隔週情報誌「ぴあ」(首都圏版)が2011年7月21日発売号をもって休刊すると、同誌を発刊しているぴあ株式会社が発表した。すでに中部版が2010年6月、関西版が2010年10月に休刊しており、今回の休刊で紙媒体版の「ぴあ」はすべて休刊することになる。なおウェブサイトでの情報提供は継続する(【発表リリース】)。


「ぴあ」は1972年7月創刊のエンタメ情報誌。映画・演劇・音楽・美術・スポーツなどのイベント開催スケジュールやチケット発売情報を提供してきた。特に1980年代から90年代は若年層のエンタメ文化を支える重要な役割を果たし、その時期に最大発行部数(53万部台)を記録している。

しかしインターネットをはじめとした各種デジタル情報ツールの普及により、同誌の存在意義も薄れるものとなり、紙面刷新や発行間隔の変更を行うと共に、ウェブサイトとの連携を強化。しかし発行部数は漸減し、最新の日本雑誌協会のデータによれば、2010年末時点で首都圏版の印刷証明付き発行部数は約6万部にまで減少していた。

エリア情報雑誌印刷実績変化率(2010年10-12月、前年同期比)
↑ エリア情報雑誌印刷実績変化率(2010年10-12月、前年同期比)(【その他色々な雑誌部数の変化をグラフ化してみる(2010年10-12月データ)】から再録)

そしてリリースによれば「成熟化するデジタルネットワーク社会に相応しい情報提供のあり方を見据え、情報誌としての”ぴあ”は時代の役割を十分に全うしたと判断」し、紙媒体での発行誌として唯一残っていた首都圏版を休刊することを決定。これで、すべての紙媒体版の発行を終えることとなった。今後は「”ぴあ”のエンタテインメント情報をベースとしたサービスのさらなる強化を図るとともに、新たなメディア・コンテンツの開発に努めてまいります」とし、デジタルでの情報発信に注力すると述べている。

同社の直近決算短信(【2011年3月期・第3四半期決算短信(PDF)】)を見る限り、同社の売上の大部分はチケット販売事業であげており、出版事業の売り上げは全体の4%ほどでしかない。会社業績に与える業績は大きくないとはいえ、時代の流れを感じさせる出来事には違いあるまい。

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