電力の使用状況を予想…予測ヤフーで「電気予報」スタート
2011/04/28 06:39



↑ 電気予報
「電気予報(ベータ版)」は、東京電力発表の使用状況グラフの実績および日本気象協会発表のデータなどをもとに、Yahoo! JAPANが独自の集計方法で算出したもので、「向こう24時間の推定電力使用状況」と「1週間先までの推定最大電力使用時間帯および使用率の予想」を伝えていく。
これにより、前もって電力使用状況の「目安」が把握できるため、利用者はより効果的な節電対策を行うことが可能となる。なおYahoo! JAPANトップページでは、直前の実績、向こう6時間の予報グラフ、ピーク時間についてのコメントを抜粋して掲載する。また「電気予報(ベータ版)」は、東京電力管轄内の地域限定での公開となる。

↑ ヤフートップページ中央部に配される簡易版「電気予報」
Yahoo! JAPANでは、東日本大地震の本震後の3月22日より、東京電力発表の使用状況の情報をグラフ化した「東京電力の電力使用状況メーター」をトップページなどに掲載している。一方でこのメーターは“いま現在の使用状況”という実績に基づいており、情報掲載にあたっては最大で1時間20分程度の遅れが生じてしまうことから、リアルタイムでの情報提供が難しく、さらなる節電対策に向けて改善を要求する声も多数存在していた。
そこでYahoo! JAPANでは、利用者がより効率的に節電準備ができるようなサービスの公開を目指し、試行錯誤を重ねた結果、1時間ごとに更新される東京電力発表の使用状況グラフの実績を元に随時「予報」の更新をしていくほか、節電についてのアドバイスも掲載する「電気予報(ベータ版)」の展開の運びとなった。なお、「電気予報(ベータ版)」はYahoo!デベロッパーズネットワークでAPIの公開も開始している。
このほか【節電情報ページ】では、東京電力の電力使用状況の詳細情報に加え、東京電力および東北電力から提供された「計画停電に関連する情報」「停電の前後に注意すること」「節電に関するお願い」なども掲載している。「電気予報(ベータ版)」についても、今後より便利に活用できるように適宜更新をしていく予定。
【東京電力管轄内の最大電力需要の推移をグラフ化してみる(追補版)】でも解説しているが、電力使用量は該当時間帯の気温や湿度などから成る、「不快指数」のような人の体感温度と浅からぬ関係にある。暑さ・寒さを感じることで多くの人が冷暖房設備を稼働させ、それが電力増加につながるからだ。例えば去年は豪暑と表現するほどの暑い夏となったため、最大需要電力も大きなものとなっている(7月の東京電力管轄内の最大電力需要は5999万kW)。

↑ 東京電力の月単位最大電力需要と東京の月次平均気温(2010年)(再録)
日本気象協会の気象データのどの部分を使って、具体的にはどのような計算をしているかは非公開だが、ヤフーではすでに各ページで気象データを公開しており、これまでに東電が発表している時間単位の電力使用状況と重ね合わせれば、ある程度の推測は可能となる。今後夏に向けてのデータは不足しているものの(東電が時間単位の電力使用状況を発表したのは東日本大地震以降)、逐次データが蓄積され検証されるはずで、精度は少しずつ、天気予報のものに近づくように上昇していくだろう。
【電気使用の「アクセス解析」こと「スマートセンサー」とは?】にもある通り、電力使用状況の可視化は節電の際に非常に有益な情報となる。今後はブログパーツ、携帯・スマートフォン向けアプリの展開など、多角的な情報展開をも望みたいところだ。

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