東電、7月1日まで計画停電「原則不実施」継続

2011/06/07 05:30

節電[東京電力(9501)]は2011年6月6日、同年6月7日以降の同社管轄内電力需給に関する見通しを発表した。それによると6月7日から7月1日においては、発表時点で想定される最大電力需要を上回る電力を供給できる見通しがたったことから、いわゆる「計画停電」を原則的に行わない方針「原則不実施」を継続できることとなった。ただし不測の事態が発生した場合は「計画停電」の可能性があること、それを極力避けるため引き続き追加供給力対策を進めていくとしている(【発表リリース】)。

「計画停電(輪番停電)」とは【東電、1都8県に対し計画停電(輪番停電)を3月14日午前6時20分から開始・5グループ区分で3時間ずつ】でも説明したように、該当地域をいくつかに分割し、地域毎に一定時間ずつ電力供給を止めるというもの。この措置により、電力供給以上に電力需要が生じることで起き得る大規模かつ不規則な停電を避けることが可能になる。

今般東日本大地震とそれによる震災では、東京電力管轄の火力・原子力発電所が被災して電力の供給力が減退したため、2011年3月14日から計画停電を実施していた。その後企業・個人双方の節電への対応と電力供給力回復作業が功を奏した形となり、電力需要は電力供給を下回る形で継続。その結果、【東電、計画停電は6月3日まで「原則不実施」】で伝えたように、4月8日時点で6月3日までの間「計画停電は『原則不実施』」が発表された。

今回の発表はそれに続くもので、発表から約4週間、同年7月1日までは原則的に最大需要電力を上回る供給力を確保できる見通しが立ったとし、「計画停電は『原則不実施』」が継続されることになった。

↑ 今回発表された6月各週の需給見通し(7月1日まで)
↑ 今回発表された6月各週の需給見通し(7月1日まで)

ただし現状においても、供給力を上乗せするために行われている各種措置の反動、例えば「経年火力の連続稼働などによる計画外停止」(従来耐久年度を過ぎたとして廃棄待ち状態の火力発電所を再稼働させている)や、「異常な猛暑による需要の急増」(電力需要の多くは冷暖房によるもの)が発生した場合、需給の安定確保に支障をきたす可能性があるとしている。そして東電側では「計画停電は『原則不実施』」を継続するため、今後も検討している追加供給力対策を突き進めると説明している。

火力発電所【東北・東京・中部電力の一日単位の最大電力需要推移をグラフ化してみる(2011年5月31日まで反映版)】で解説しているように、東京電力管轄内では現時点で最大電力は前年比マイナス10%内外で推移している。このままの状態を維持できれば、そして以前【東電、今夏の電力需給予想を更新発表・ピーク時で5500万kWの需要に対し供給は5520万kW-5620万kW】で発表された電力供給が確保できれば、綱渡り状態に違いは無いが、需給バランスが崩れるリスクはかなり減る。

しかし東京電力管轄より需給がひっ迫している東北電力への電力融通も計画されており(最大140万kW)、これが実行された場合は7月末で供給力は最大5380万kW、8月末で5480万kWとなり、さらに需給関係は厳しいものとなる。

夏季においては療養施設や高齢者世帯、熱を持つ工作を行う工場などでの冷房機器の停止は、熱中症の発症をはじめとし、生命にかかわるリスクを生み出すことになる。また、昨今の計画停電の施行状態で電力供給が継続的・一定量のものでないと、各企業における生産力の低下、さらには消費者の購入性向をはじめとした生活全般のモチベーション減退の実態が明らかにされている(【電力不足による経済の動き、需要よりも供給が縮小との見通し】)。この状況の継続は少なからぬ影響を経済に与えることになる。

短期的な対応策はもちろんだが、同時に中長期的な戦略に基づいた根本的な対策も求められるのはいうまでもない。「エネルギー(電力)なくしての産業活動はない。電力不足=産業停滞と捉えるべき」なのだから。


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