「言戯」の作家が被災地の情景をマンガでつづった「3.11東日本大震災-君と見た風景-」6月17日発売

2011/06/12 06:29

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 「3.11東日本大震災-君と見た風景-」以前【冷蔵庫が一杯にある幸せ、物欲? それとも「テトリス」的満足感?】などで紹介した、デザイナー職の作家がほぼ毎日の更新で日々の生活を四コマ漫画で紹介していく、随筆系マンガサイト【言戯(ことざれ)】。居住地が宮城県なだけに、東日本大地震の際に当方も非常に心配していたところの一つだったが、「日々更新」のパターンは崩さず、本震以降は現地での被災状況をリアルに伝えるものとなっている(そもそも「随筆」とはそのようなものだ)。それらの体験記をベースに、9割以上を描き下ろしで編集した作品が2011年6月17日にぶんか社から『3.11東日本大震災-君と見た風景-』というタイトルでコミックエッセイとして出版されることになった(【公知ページ】)。


↑ 3.11東日本大震災-君と見た風景-
↑ 3.11東日本大震災-君と見た風景-

【言戯(ことざれ)】本家を確認してもらえばお分かりの通り、本震当日の3月11日分は地震発生前のものだったのでごく普通の話が掲載されているものの、その前日には【余震の話が出ているなど】、予兆を感じさせるものとなっている。そして3月12日には文字のみで【「生存報告」】が掲載され、それ以降は早くも(モノクロだが)四コマ漫画での掲載スタイルに戻っている。いつものタッチではあるが、非常にリアルな形で現地の様子が報告されているのを目にすると、これまでの日記が平穏な日常生活をつづっていたものだけに、目の前にあるような現実感が読み手にも伝わってくる。

表紙の帯紙には

被災地より。日本中の皆さまへ。
2011年3月11日、東日本大震災発生。
妊娠9カ月の妻、4歳の娘と手を取り歩んだ
激震からの30日間を綴りました。
物資不足、原発事故、今なお続く余震…
それでも、粛々と生きています。

とある。また紹介記事では「津波の被害こそなかったものの、山間部や市街地ではこういうことが起きていました。ということを見た範囲で描かせていただきました」「9割以上描き下ろしで、仙台市内にいた妻の視点からの話も掲載しております」ともあり、ブログで掲載されている話をベースに、ほとんどが書き下ろしで編さんされているとの話。

書き手の腕前にもよるが、漫画は物事を把握するハードルを低く、分かりやすくしてくれるのと共に、場合によっては実写以上のリアリティを読み手に与えてくれる。さらに今作は世間一般の立ち位置からの視線で見た、被災地の状況、その変化を語り伝えてくれている。

本震から一か月間、何が起き、何が変わっていったのか。最近ではようやく普通の日常生活の語りに戻りつつある「言戯」と共に、当方としても読み進めていきたい。

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