東北電力、管轄内の停電復旧完了・着手不可能な11万3642戸をのぞく

2011/06/18 19:30

通電【東北電力(9506)】は2011年6月18日、東日本大地震とその関連震災において被災した同社管轄内の「作業が可能な地域」のすべてで、停電復旧作業を終了したと発表した。停電したのは延べ486万1246戸で、現時点において同社として着手不可能な地域の停電11万3642戸をのぞくすべてにおいて復旧を果たしたことになる(【発表リリース】)。

東北電力側では同リリースにおいて今回の復旧に合わせ、「今回の地震による停電により、長期間にわたり多くのお客さまにご不便とご迷惑をおかけいたしましたことを、あらためてお詫び申し上げますとともに、当社といたしましては、被災地の一日も早い復興に向け、引き続き電力の安定供給に努めてまいります」とし、今後も電力の安定供給に努めていくと述べている。

一方、「着手不可能な地域の停電」については「自社設備は復旧したが該当建築物が不在などによる屋内配線の安全性が確認できないため、送電を留保している」「津波などで公共的なインフラ、家屋そのものが流出してしまっている」「福島県内の立入制限区域で停電している」の3パターンに分類し、それぞれの該当戸数を発表している。

↑ 東北電力管轄内停電状況(戸数、2011年6月17日16時現在)
↑ 東北電力管轄内停電状況(戸数、2011年6月17日16時現在)

これらについてもそれぞれ対応できる限りの手段を講じ、逐次検討・対応していくとのこと。

今回の発表により、東北電力管轄内での通常レベル・同社の一義的作業領域の停電地域は無くなり、今後は公的機関の動向や個々の帰宅により徐々に停電地域が減っていくことになる。これは同時に「東北電力の責に伴う停電による、電力供給先の減少分が無くなった」ことを意味する。今後インフラの復旧や避難先からの帰宅、福島県内の立入制限の状況の変化により、さらに供給元が増えていくことになるのは間違いないが、現状ではこの時点の値が「常用電力供給先」と想定できる。

そこで現時点で入手できる最新のデータを元に、今後の東北電力の需給予想を(概算ではあるが)行っておく。毎月頭に更新している東北・東京・中部電力の「最大電力推移・2011年における前年同月比(曜日による修正済み)」のうち、東北電力のものについて、6月16日分までのを反映させたのが次のグラフ。

↑ 東北電力の最大電力推移・2011年における前年同日比(日ベース、曜日修正済み)
↑ 東北電力の最大電力推移・2011年における前年同日比(日ベース、曜日修正済み)

ここ数日はやや下がり気味だが、大体前年比マイナス10%強で推移していることが分かる。停電復旧が行われている一方で、節電の進展などもあり、このペースが維持されている(もちろん現在も停電中の地域11万3642戸の分も考慮する必要はあるので、純粋な節電効果は数%-10%程度だろう)。

そして直近一か月間分の前年同日比(曜日修正済み)の平均を計算したところ、マイナス12.8%という値が出た。この値をそのまま前年の今後の動向に当てはめ(つまり今年における今後の最大電力推移予想になる)、さらに5月13日に発表されている【今夏における当社供給力の見通しについて】で確認できる、最大供給力予想1230万kWを反映させたのが次のグラフ。

↑ 東北電力の最大電力推移(日ベース、万kW)(2010年値からの概算予想含む)
↑ 東北電力の最大電力推移(日ベース、万kW)(2010年値からの概算予想含む)

純粋に最大供給力予想をオーバーするか否かで計算しても、7月の下旬にかけて5日間ほど、供給力足らずでショートする日が確認できる。さらに【電力供給の仕組みを図にしてみる】でも説明しているように、安定したインフラとして電力を供給し続けるためには、5-10%の余力が必要であることを考えると、最短で7月中旬あたりからリスクが極めて高い状態を迎えることになる。

東北電力は東京電力管轄同様、あるいはそれ以上に電力需給状況がひっ迫していると考えさせるを得ない。今後とも引き続き、関係各所の努力尽力が求められよう。

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