世界初のQRコード付き記念硬貨、オランダで発売

2011/06/19 06:18

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QRコード付き記念硬貨以前【とあるQRコードの喜劇物語(検索上位)】【QRコード、利用経験は76%・使わない人は「必要ない」と「分からない」】で紹介したが、「QRコード」はデンソーウェーブ開発の、携帯電話などのデジタルカメラで取り込むことにより、各種文字データを展開できる2次元バーコード。相手に携帯電話などのデジタル系撮影装置を使ってもらうことが前提とされるが、狭い空間に多数の情報を盛り込むための便利な統一企画である。その「QRコード」を用い、サイト誘導の仕組みを盛り込む記念硬貨がこのたび登場する。オランダのユトレヒトにある【王立オランダ造幣局】の創立100周年を記念したもので、10ユーロの金貨と5ユーロの銀貨それぞれにQRコードにて【造幣局の専用ページへジャンプする短縮URL「http://www.q5g.nl/」】が描かれているというものだ(【トリガー記事:Like Cool】)。


↑ QRコードが刻印されたオランダの記念5ユーロ銀貨。QRコードが本物の短縮URLを示していることは確認済み
↑ QRコードが刻印されたオランダの記念5ユーロ銀貨。QRコードが本物の短縮URLを示していることは確認済み

オランダは元々多種多様な記念硬貨を発行して世界にセールスすることを、国家的ビジネスの一つとしている。オセアニアの島国ツバルが、記念切手を外貨獲得の手段として用いているのと同じ手法。今回発行される金貨・銀貨もその類のもの。王立オランダ造幣局創立100周年を記念してのものだが、100周年云々よりも注目を集めたのは、記念硬貨とはいえ市場で流通する公的硬貨としては(恐らく)初めて、QRコードが描かれているということ。

QRコードには冒頭で触れたように、王立オランダ造幣局による記念硬貨サイトの、今件記念硬貨のページへの短縮URLが描かれている。硬貨を手にした人は携帯電話やスマートフォンなどでアクセスし、同ページの存在を確認し、色々な、硬貨そのものには描ききれない情報を確認する次第。

↑ QRコードが示したURLはこのページ、王立オランダ造幣局の記念硬貨専用ページを示している
↑ QRコードが示したURLはこのページ、王立オランダ造幣局の記念硬貨専用ページを示している

【王立オランダ造幣局のプレスリリース】によれば、発売は2011年6月22日。一人各1枚ずつのみ購入が可能で、個別のナンバリングをした袋やケースに納められる。金貨は額面が10ユーロで価格は359.95ユーロ、銀貨は額面5ユーロで価格は39.95ユーロ。他にこの記念硬貨を納める専用のホルダー(10ユーロ)や、各種硬貨をセットにした特製の箱詰めセット(799ユーロ)も合わせて販売される(【一覧ページ】)。

10ユーロ金貨硬貨の面積には限りがある。色々な情報を多くの人に提供したい場合、硬貨自身で情報提供を完結するのではなく、別の情報提供先(今件なら専用サイト・ページ)への橋渡しとなるツール(QRコード)のみを提示しておくのは、非常に面白い手法といえる。もちろんその手段を使える携帯電話・スマートフォンの利用が前提とされるため、「誰もが気軽に使える」「利用ハードルを極力低くする」が前提の通常通貨では難しい。しかし今件のような記念硬貨なら、その配慮もやや甘く考えてよいため、QRコードを配するのは賢い切り口といえる。

記念通貨とはいえ通貨には違いなく、長期に渡って流通しうるため、指定しているURLもまた長期間維持する必要がある。そのため利用には十分な注意と配慮が求められる(指定されているURLの持ち主が変わり、良く分からないスパム業者のサイトにでもなっていたら、目も当てられない)。その点を配慮すれば、オランダだけでなく世界のどの国でも使える手法であり、今後他国でも似たような記念硬貨が登場するのは、想像するに難くない。

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