「らでぃっしゅぼーや」、被災農家の移住と就農、収入確保を支援

2011/07/09 12:10

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農業らでぃっしゅぼーやは2011年7月7日、東日本大地震・震災の影響で農業経営の継続が困難になった被災生産者の支援を目的としたプロジェクト『らでぃっしゅぼーやファームエイドプロジェクト』を開始すると発表した。第一弾として、福島第一原子力発電所の事故で退去指示を受けている農業生産者やその家族を受け入れ、援農・就農の場を提供する活動を行う(【発表リリース】)。


【2.4万ヘクタール・宮城県では11.0%・9割超の町も…農水省、地震による津波の農地推定面積発表】などにもあるように、今般の東日本大地震とそれに連なる各種震災では、多くの農家が甚大な被害を受けている。今回発表された『らでぃっしゅぼーやファームエイドプロジェクト』とは、これら農業経営の継続が、現状では困難になった被災生産者の支援を目的としたプロジェクト。被災生産者が再びに農業に取り組めるよう、被災地域外のらでぃっしゅぼーや契約生産者および関係団体と協力し、田畑・住宅を準備し、有機農業に携わってもらうことになる。

↑ プロジェクトの流れ
↑ プロジェクトの流れ

収穫した農産物は、らでぃっしゅぼーやが全量を買い取り、全国のらでぃっしゅぼーや利用会員(消費者)約10万5千世帯へ販売。被災生産者に“働く場”と安定した収入をサポートし、同社にも農産物の安定供給・供給源の拡大が見込めるものとなる。

今回発表されたのは、プロジェクトそのものと、その第一弾として、福島で被災した農家の人を対象に募集し、移住・営農を行ってもらうという内容。受け入れ生産者として「北海道…株式会社キューサイファーム千歳(千歳市) ※募集世帯:5世帯、関哲男(苫前郡)」「茨城県…あゆみの会(稲敷市)」「愛媛県…無茶々園(西予市)」「長崎県…ながさき南部生産組合(南島原市)」が例示されている(各契約生産者への受入問合わせは、ファームエイドプロジェクト担当(電話 03-5777-8631)まで)。

同社では今件プロジェクトについて、すでに行ってきたさまざまな被災地支援活動に加え、「震災直後の支援だけでなく長期の支援が必要」とした上で、自社ができる支援として「被災した農業生産者が安心して農業に従事でき、収入を得られる環境をつくること」と判断。立案・実施を開始したと説明している。

今般震災については、被害地域の被害内容が言葉通り「根こそぎ」な状況が少なくないこと、今回第一弾の対象として挙げられた地域のように、特殊な事例によるもの、さらに【アトラクターズ・ラボ、被災地域の人口や世帯など住居関係データの分析結果を公開】で官公庁のデータなどから分析されているように、高齢者比率が高く他地域への移住を望まない人が多いことなど、農家・農業の再生においても、複雑な問題が絡み合っている現実がある。

とはいえ、今回らでぃっしゅぼーやが提案し推し進めることになった「移住・営農」という選択肢を用意し、選択の幅を広げる、しかもその選択肢は農家・らでぃっしゅぼーや双方にとってプラスとなりうるのは、賢い切り口といえる。特に「収穫した農産物はらでぃっしゅぼーやが全量を買い取り」とあり、安定した収入の見込みが立っている点が評価できる。行政、あるいは農協単位でも同様の「選びやすい選択肢」を提示し、大いに公知されれば、被災地の多種多様な需要に、より多く対応できるようになるに違いない。

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