【更新】和洋折衷な技術の集大成・「和時計」が創れる「週刊 和時計をつくる」、デアゴスティーニから登場
2011/08/03 06:32
デアゴスティーニ・ジャパンは2011年8月2日、毎号付属のパーツを組み立てることで、江戸時代の機構で完全再現された「和時計(台時計)」(全長約67センチ、全幅約24センチ)が完成するマガジン「週刊 和時計をつくる」を同年8月30日から全国書店や同社ウェブサイトで発売すると発表した。全60号。価格は創刊号890円、2号以降は1990円(税込)([発表リリース])。
↑ 週刊 和時計をつくる 表紙
本シリーズで完成する「和時計」は、現存する和時計(台時計)を調査研究し、新たに図面を描き起こして復元したモデル。江戸時代の「からくり技術」を西洋の時計機構に応用し、作り上げた和時計を忠実に再現している。
パーツは「金属パーツ」と「木製パーツ」、約420点。文字盤、側面板、内部機構の歯車など主要な金属パーツは当時と同じ真鍮製。前扉、側面板には「彫金装飾」、飾り柱にも当時の装飾を施し、豪華な工芸品としての風格も感じられる逸品。当時、大名や富豪しか所有することができなかった和時計を、少しずつ自らの手で創り上げることが可能となる。
組み立てる対象となる「和時計」は、夜明けと夕暮れに二つの天符が自動で切り替わる複雑で精巧な「二挺天符式」機構となっている。錘(おもり)を動力とし、「十干十二支暦」で日付を表示、時を知らせる鐘が鳴る「時打ち機能」も再現。さらに、季節によって昼夜の長さが変化するのに合わせ時を刻む「不定時法」という当時の時法で時刻を表示。自然のリズムと合致した江戸時代の暮らしを「和時計」を介して体感することができる。
付属の雑誌内では、和時計にとどまらず、江戸時代の画期的な発明や、世界の機械式時計の歴史、「時」にまつわるエピソードを紹介。時計や歴史が生んだテクノロジーについて知ることで、より深く「和時計」を楽しめる内容となっている。また、組み立て方や付属の工具の使い方も、初心者でもわかりやすいように写真付きで、すべての手順を徹底的にフォローしている。
↑ 付録の雑誌内容
日本独自の時法を示すため、西洋と日本の技術を融合させることで完成した「和時計」は、「和洋折衷」を体現化した江戸時代における「技術的芸術品」ですらある。完成すれば時間を示すという本来の機能そのものはさほど役に立たないかもしれないが、当時の文化と人々の創意工夫の素晴らしさを魅せる、シックな調度品として大いなる価値を見出されるに違いない。
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