東電、電力関係の基礎知識をまとめた「でんき予報の解説」を公開

2011/08/07 07:50

「でんき予報の解説」[東京電力(9501)]は2011年8月6日、同社サイト内で逐次電力需給や予想情報を提供している【でんき予報】の1コンテンツとして、でんき予報の解説ページの公開を開始した。「でんき予報」の各種データやグラフの見方に関するより詳細な解説だけでなく、その情報から生じるであろう各種疑問に答えるべく、電力需給や発電周りに関する基礎知識の数々が提供されている。

↑ 「でんき予報の解説」トップページ
↑ 「でんき予報の解説」トップページ

「でんき予報」で使われている、あるいは東電公知の各種リリースで使われている言葉の数々は、元々サイト内の別ページやリリース自身でそれなりの説明が行われていたが、それらが集約されたものはこれまで存在していなかった(似たような「電力業界の基礎知識」の類はいくつかあったが、東日本大地震に伴いコンテンツの掲載は控えられている)。

そのような状況のもとで、電力会社などから発表される各種数字、リリース内容について、一般の人はもとより「不特定多数に正しい情報を公知することを社会倫理上の義務として求められている各種報道」「見識があると社会一般から見なされている肩書を持つ(自称)有識者」、そして「正しい情報と知識のもとに適切な判断を下さねばならない治世者」にいたるまで、さまざまな誤解・誤認・誤解釈が行われ、彼ら・彼女らによって誤った情報の周知や判断が繰り返されているのが現状といえる(電力供給力の問題や、いわゆる「埋蔵電力」の話が好例)。

現時点で公開されている、情報項目の一覧は次の通り。

●予想最大電力とは
●ピーク時供給力とは
・供給力と発電設備量について
・電力需要とピーク時供給力の関係
・ピーク時に活躍する揚水発電
●供給力はなぜ変わる?
・水力発電の場合火力発電の場合
・外気温が高い場合のコンバインドサイクル
・他社からの購入の場合
・自家発電設備の活用状況
●供給力の変動状況
・ある1週間の供給力の変動
・今夏の供給力 -プレスリリース
●参考情報
・電気の特性
・発電からお客さまにお届けするまで
●用語説明


↑ それぞれ図解や具体例が提示されており、理解が容易いものとなっている
↑ それぞれ図解や具体例が提示されており、理解が容易いものとなっている

中でも注目したいのは、【供給力はなぜ変わる?】の項目。当方もかつて【電力供給の仕組みを図にしてみる】【電力の需給関係をわんこそばで説明してみる】などで解説したが、より詳細に、さらに各種発電の種類別にその事情や特性、長短所が説明されている。例えば先日の豪雨で水力発電所が大きな被害を受けた東北電力管轄の話にもあるように、水力発電所においては、

季節や天候などにより、川の水が少ない場合や、台風などによる大雨で大量の塵(ちり)や落ち葉などが流入して取水量が減少、または取水不能となった場合なども、供給できる電気の量が低下する

↑ 水力発電所の場合
↑ 水力発電所の場合

などのリスクがあり、「発電設備量=発電設備の届け出出力」をフルタイムで出力できるわけではないと解説されている。性能上限の能力を24時間365日でフルに発揮し、故障も皆無という発電所は、劣化を考慮しないシステムのゲームか、三文小説の舞台設定内だけの話でしかない。

【「自分が知ってるそのことを 相手が知っているとは限らない」…ネット上の「暗黙の了解」の明文化】の話に類するが、一見当たり前のように見えるもの、少々思考を巡らせれば容易に理解できるような内容でも、偏見や間違った情報の刷り込みなどで、理解されなかったり、誤解を生じてしまう事が多々ある。それが単なる日常生活上の些細な物事なら、間違いが発覚しても笑いのタネで済むのだが、それが元で大きな判断ミスを導いたり、より多くの人に大きな迷惑を広めてしまうのでは、問題視せざるを得ない。

誤解今回の「でんき予報の解説」の公知に関しては、もっと早く行うべきだったとする意見もある。例えばもう少し公知が早ければ、国のトップが「埋蔵電力」周りで要らぬ恥をかき、貴重な国のリソースと時間を無駄遣いすることもなかっただろう。それ以外にも、多種多様に広まっている出まかせや誤解釈の少なからずが生じなかった、あるいは容易に打ち消された可能性は高い。

しかし同時に、必要事項をまとめ上げて公知をするにも、それなりのリソースが無ければ創り上げることはできず、一方で企業が持つリソースは無限ではないことを考慮する必要がある(特に広報周りの人員は、報道対応や各種の逐次移り変わる状況に関する情報の公知を優先されていたはず)。

いずれにせよ今回の情報集約・公知により、かなりの部分で誤解や誤認は解けるに違いない。


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