東北大研究班、地域の高齢者福祉の度合いを数字化

2011/09/17 19:30

福祉東北大学の大学院経済学研究科吉田 浩教授ら東北大学グローバルCOE(グローバル時代の男女共同参画と多文化共生)の研究班は2011年9月16日、高齢者の福祉に関する多項目からの統計結果を元にした指数「高齢者福祉指数」を試算、その結果を発表した。それによると総合スコアが高い地域(=高齢者福祉の観点で優れていると思われる地域)は島根県、福井県、北海道、石川県など主に日本海側の道と県などが該当することが分かった(【発表リリース】)。

今件は数量的に推し量りにくい高齢者の福祉を「心身の健康」「経済生活」「社会生活」「個人生活」「安全・安心」に大別し、それぞれを具体的要素3項目ずつで例示し、合計15項目について各種調査結果を元に数字化した。例えば「経済状態」における「高齢者世帯の消費とまかなう収入」では総務省の「全国消費実態調査」をベースに、「安全・安心」の「高齢者の交通事故死傷者率」では「警視庁資料」を元にしている。

そして個々の項目を0.00-1.00でスコアリングした上(政策上の最高値の観測値を元にし、各地域の値を決定)で個々の項目の値を元にした、高齢者福祉指数の「総合スコア」を算出している。

それによると最高値を示したのは島根県の0.83、次いで福井県の0.82、北海道と石川県の0.80という結果が出た。

↑ 都道府県別の高齢者福祉指数(総合スコア)結果
↑ 都道府県別の高齢者福祉指数(総合スコア)結果

↑ 高齢者福祉指数(総合)上位・下位自治体
↑ 高齢者福祉指数(総合)上位・下位自治体

リリースでは今回の指数提示の意義について、

1) 高齢社会の公共政策の重点をどこに置くべきかを地域別に数値ではっきりと把握できる透明性が得られる
2) どの地域のどの指数を優先して改善するべきであるかという政策の効率性を図れる
3) 高齢者福祉に地域間の格差があってはならないという公平性、の観点からも有効に活用できる

の3点を挙げている。さらに「貧困者と富裕者、男性と女性といった対立的または入れ替わりのない関係の間での指数と異なり、すべての国民はやがて高齢者となることを考慮すれば、我々は現在の高齢者と共に将来の高齢者(自分)とも共生していく必要があり、その意味でもこの指数を政策的に有効に活用することが望まれ」ると言及している。

福祉の評価は個人ベースで大きく異なる。例えばボランティアのサポートはあまり必要ないが、その分経済状態のよい場所を好むとか、レジャー環境を重視したいとか、治安の維持を最優先に考えたいという具合に、個々の項目に対する重視度・そしてパラメータは変動しやすく、一概に共通点的な数字だけでは決定しきれない部分がある。

とはいえ、政策の上で全般的な指標は欠かすことが出来ない。その上で客観的な数字を提起しえた今回の「高齢者福祉指数」の算出は、非常に価値あるものといえるだろう。


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