理想科学、プリントゴッコ事業を2012年12月に終了

2011/09/21 06:19

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プリントゴッコ【理想科学工業(6413)】は2011年9月20日、家庭向けの簡易はがき印刷機「プリントゴッコ」の事業を2012年12月28日で終了すると発表した。【プリントゴッコ国内販売終了・個人向けプリンタ普及で】にて伝えているように、すでに2008年6月末に日本国内での本体メーカー販売を終了し、消耗品の販売とサポートを続けていた。今回の事業終了について理想科学工業側では、需要の減少が加速化し、それら消耗品の継続生産が困難になったとの判断によるものと説明している(【発表リリース】)。


↑ プリントゴッコ
↑ プリントゴッコ

プリントゴッコは1977年に発売された家庭用の小型・簡易はがき印刷機。操作が簡単で気軽に印刷したはがきを安価に量産できるため、特に大量の印刷はがきが必要になる年賀状作成の際に大いに活躍した。しかし1990年代後半からパソコンやインクジェットプリンタが家庭に普及するなど、市場環境の変化がダイナミックに発生。プリントゴッコ側でも名刺に印刷できるタイプなど多種多様な新機軸を打ち出したが、状況の改善にはいたらず。さらに電子メールの普及で、年賀状をはがきで投函するというスタイルそのものも低迷するようになったのが打撃となった。

2008年にはプリントゴッコ本体の国内販売を終了。その後消耗品の販売とサポートを継続していたが、需要がさらに減少したことで、消耗品の継続生産が困難となり、事業そのものの継続が難しいと判断。今回、2012年末で事業そのものの終了を公知することになった。理想科学工業側では今回の事業終了発表に際し、「これまでプリントゴッコをご愛顧・ご支援いただきました皆様には御迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。長年にわたるご愛顧に心より感謝申し上げます」とコメントしている。

インターネットや携帯電話、パソコン、デジタルカメラなどのIT技術・機器の普及の影で、消えていく電子家電も確実に存在する。近しい例では、デジタルカメラの普及で姿を消していく「ポラロイドカメラ」などが良い例。昨今ではこれらの「時代の流れと共に消えゆくものたち」を記録保全するという動きもそこかしこで見受けられる(【YouTubeで楽しめる「時代遅れ」な道具たち】)。

技術の進歩やニーズの変化などで、ビジネスとして成り立たなくなるという事情は理解できるが、一世を風靡したこれらのアイテムたちが表舞台から消えていく姿をみるのは、やはり悲しいものだ。

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