トヨタ、バイオ燃料生成を効率化する新酵母菌開発、2020年までの燃料実用化を目指す

2011/10/04 06:33

ネピアグラストヨタ自動車は2011年10月3日、同社のバイオ・緑化研究所を公開すると共に、バイオ燃料(セルロースエタノール)の生成効率を引き上げる新開発の「酵母菌」や、駐車場と壁面向けの新しい都市緑化資材、および緑化効果をシミュレーションする「クールスポット形成技術」を中心に、バイオ・緑化事業の取り組みの実情を公表した。新酵母菌は同年9月時点では世界トップクラスのエタノール発行濃度を実現しており、同社では「エタノールの製造コストの引き下げが期待できる」と言及している(【発表リリース】)。

今回発表されたバイオ燃料絡みの取り組みでは、サトウキビやトウモロコシなどの食用植物では無く、非食用植物の茎を用いたエタノール生成を模索。生産地の競合をも避けるため、「食料生産不適地」で「安価かつ持続可能なバイオ燃料原料の生産方法の確立」を条件にインドネシアで栽培試験を推進。現状では成長性と栽培コストの観点で「ネピアグラス」が有望と判断。土壌が劣化しない栽培システムも合わせて模索している。

↑ ネピアグラスと、比較対象となる他の植物との比較
↑ ネピアグラスと、比較対象となる他の植物との比較

そして採取した原料を効果的かつ低コストで糖化させた上で発酵させ、エタノールに精製できるよう、工程のシンプル化や新しい酵母の開発を行っている。この新酵母(菌)は糖化と発酵を同時に行うもので(同時糖化発酵)、エタノール生成工程の簡略化により、設備コストの削減と共に収率の向上を果たせるものとして期待されている。

↑ 糖化と発酵の両プロセスを一度にこなすのが、今回開発された新酵母菌(トヨタ開発酵母)
↑ 糖化と発酵の両プロセスを一度にこなすのが、今回開発された新酵母菌(トヨタ開発酵母)

この酵母菌の特徴は、酵素糖化工程において植物繊維を分解した時に出来る糖の中で、自然界の酵母では発酵が難しい「キシロース」を高効率で発酵させることが可能であり、かつ、酢酸などの発酵阻害物質に強いというもの。これにより、世界トップクラスのエタノール発酵濃度(約47グラム/L)を実現しており、収率(原料からエタノールができる割合)の向上、ひいては製造コストの大幅な低減が期待できる。

トヨタ側では今後も収率のさらなる向上に取り組むと共に、エネルギー関連会社などと連携の上、2020年までのセルロースエタノール実用化を目指し、開発を進めていくとしている。またこれに伴い、バイオ燃料をベースにしたハイブリッド車の開発も研究課題として掲げ、将来の発売も視野に入れている。

ハイブリッド車周りはまだ先の話となるが、効率的なバイオエタノール生成が期待できる酵母菌の開発が比較的順調に進んでいることは、朗報といえる。2008年前後の資源高騰時に大いに注目されたバイオ燃料周りも、昨今では醒め気味なものとなりつつあるので、このような地味だが確実な前進には、大きな評価を与えたいものだ。

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