警察庁、自転車の歩道通行への対応見直しを通知

2011/10/27 06:49

自転車事故警察庁は2011年10月25日、「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」との題名で、自転車にかかわる基本的な考え方「自転車は車両である」に対し、対応姿勢を強化することを発表した。具体的には「自転車の車両概念の徹底」「自転車本来の走りを求める利用者には歩道以外の場所の促進」「歩道での自転車利用者には歩行者優先のルール遵守徹底」などを挙げている(【広報文章(PDF)】【警察庁最新リリースページ】)。



↑ 自転車の歩道通行に関する対応を一部見直す方針であることを報じる、公式報道映像。(動画は消えているのでサムネイルだけ掲載します)

リリースなどによれば、自転車は原則「車両」であり、歩道は「普通自転車歩道通行可」とされた歩道以外は、13歳未満の子供・70歳以上の高齢者など一部条件に適応した人・場面でない限りは、走行できないよう定められている。この場合自転車は、車道の左側を走らねばならない。もちろん歩道を通行する際には歩行者優先が徹底される必要がある。

しかしながら自転車は「特に最近では、東日本大震災による交通の混乱等を機に、通勤手段等としても注目を集めており」(リリースより抜粋)、それと共にこれまで以上に自転車利用者のルールやマナー違反に関する問題も、増加の一途をたどっている。そこで今回、歩道周りにおける自転車利用の原則を徹底させるため、世間一般にあらため公知すると共に、総合対策を打ち出すことになった。

具体的には「自転車は従来車両。歩道を通行する場合は歩行者優先」を徹底させると共に、「車道通行の自転車」「歩道通行の歩行者」の双方の安全確保を原則的な考えとして提起。その上で「通行環境の確立」「ルールの周知と安全教育の推進」「指導取締りの強化」「基盤整備」が促進される。各警察に対しては【警察庁交通局長からの通達(PDF)】として、指導の強化などが求められている。

少なくとも2010年までにおいては【自転車事故、交通事故全体に占める比率は2割を維持(2010年分反映版)】にあるように、自転車事故は絶対数は漸減・交通事故全体比ではやや増加の傾向にあり、今件のような緊急(的な)対応を求められるような状況では無かった。直近の2011年9月末までの【交通事故統計】で確認しても、自転車事故の特異な増加は確認できない(中堅層以降の死亡事例が前年同期比でやや多めだが、母数そのものが少数のために「統計上のぶれ」の可能性がある)。

↑ 交通事故全体件数と自転車事故件数、およびその比率
↑ 交通事故全体件数と自転車事故件数、およびその比率(再録)

むしろ今件は通達文面にわざわざ「特に最近では、東日本大震災による交通の混乱等を機に、通勤手段等としても注目を集めており」とあるあたりから、事故としてカウントはされないものの、震災以降利用が急増している自転車(デパート周りの月次売上レポートでも、震災以降自転車のセールが堅調であることが伝えられている)に対するマナーの悪化によるトラブルに伴うクレーム(≒事故未遂)などが警察に多数寄せられ、この動きをきっかけとし、アンケートを実施。状況を確認した上で(アンケートは今年9月から10月に実施されている。【該当報告書(PDF)】、詳細は警察庁最新リリースページから)、今回の公知・対応に踏み切ったと考えた方が自然といえる。

【自転車と車道走行と法令厳守化と】でも触れているが、今回の自転車への対応強化に伴い、自転車運転者はもちろんだが、自動車運転者への周知も必然となる(自転車がこれまで以上に車道上を走るようになるから)。ところが今回公知された各書面を見た限りでは、「自動車」への対応言及はほとんど確認できない。自転車利用者同様に、自動車運転手もまた、十分以上に注意を払って欲しいものだ。

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