鉄道博物館、東大と共同で「デジタル レールウェイ ミュージアム」を開催

2011/11/10 06:27

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デジタル レールウェイ ミュージアム鉄道博物館は2011年11月8日、東京大学の大学院情報理工学系研究科と共同で、鉄道博物館の特別企画展「時間旅行展」にあわせ、新しい展示手法を提供する「デジタル レールウェイ ミュージアム」を開催すると発表した。AR(Augmented Reality(拡張現実・強化現実))的手法を用いた、列車の運行当時の情景の展開などが行われる。同年11月9日から開催。料金は鉄道博物館の入館料のみ(【発表リリース、PDF】)。


これまで鉄道博物館では東京大学情報理工が推進してきた「博物館で活用すべき新しいデジタル技術の開発」に共同研究者として参画してきた。今回の「デジタル レールウェイ ミュージアム」は、その研究成果を公開するもの。主な展示内容は次の通り。なお展示物により展示期間・展示時間が異なるので注意を要する(詳細はリリース参照のこと)。

1.電車の思い出のぞき窓
携帯端末を展示車両に向けると、展示車両に重なって現役当時の車両の姿が見えてくる。携帯端末は展示車両付近に備えつけられているものを使う。

↑ 携帯端末のモニタに映った展示車両が、現役時代の姿にうつり変わっていく
↑ 携帯端末のモニタに映った展示車両が、現役時代の姿にうつり変わっていく

2.デジタル展示ケース-台車でGO!-
液晶ディスプレイで作った展示ケースの中に現われた電車の台車を、走らせたり透明化したりして、さまざまな角度から観察できる。ハンドル操作で台車の走行も可能(リリースでは「GO」について「Graphic Omnidirectional-view(全方位から見えるグラフィック)の略語」と説明している)

↑ 展示イメージ
↑ 展示イメージ

3.時をかけるシート
電車のシートに腰掛けると、数十秒前の「過去の自分」と現在の自分が共存する3D空間が目の前に出現する。

4.ナビログ
貸与される携帯端末に入っているアプリを使って、ヒストリーゾーンの展示車両を巡るガイドシステム。車両を撮影すると、その車両の型式などの情報が自動表示。さらに観覧ルートが表示され、自分の観覧体験を振り返ることもできる。

↑ 携帯端末を操作して、展示車両の解説を見たり、ガイドが体験できる
↑ 携帯端末を操作して、展示車両の解説を見たり、ガイドが体験できる

5.デジタル「思い出ノート」
無人駅などに置かれている「思い出ノート」をデジタル技術で再現。来場者の思い出を博物館に残すことができる。

6.Post-Visit HAYABUSA Board
時間旅行展のはやぶさボードをデジタルアーカイブし、インターネット上で公開。来場者自身が書き込んだはやぶさボードのメッセージを、館内施設、外出先や自宅から閲覧できる(【該当ページ】)。

【疑似体験で観光が何倍も楽しくなるARアプリ】のように来場者自身所有の端末上でアプリを動かして展開させたり、【恐竜や宇宙飛行士が目の前に現れるプロモーション】のような本格的手法とは言い難いが、「1.電車の思い出のぞき窓」などはARそのもの、あるいはそれに近い切り口といえる。

元々展示品の披露場としての意味合いが強い博物館では、ARの技法が大いに活用できる場といえる。今後も研究開発を推し進め、他の事例も参考にしながら、老若男女が楽しめる多種多様な技術を取り入れた展示を展開して欲しいものだ。


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