東証と大証が統合で合意、2013年1月に持ち株会社「日本取引所グループ」を創設

2011/11/23 06:38

このエントリーをはてなブックマークに追加
東証と大証東京証券取引所(東証)・大阪証券取引所(大証)は2011年11月22日、両証券取引所が2013年1月1日をめどに経営統合を行うと「正式に」発表した。東証が大証を株式の公開買い付け(TOB)で上場を維持させつつ子会社化し、その上で大証を存続会社として合併。その後共同持ち株会社「日本取引所グループ」を創設し、傘下会社を機能別に再編し効率化を図る(

↑ 合併発表の記者会見のようす。
↑ 合併発表の記者会見のようす。【直接リンクはこちら】

↑ 合併・持ち株会社移行後に行われる組織再編のイメージ
↑ 合併・持ち株会社移行後に行われる組織再編のイメージ

東証は世界の取引所の中で第3位、アジアでは最大の市場規模(2011年9月末時点)で、市場内取引の対象となる株式売買代金は世界で第4位、国内の上場株式の売買代金の約9割を占める。一方大証は株価指数先物・オプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)で日本最大のシェアを誇る。両証券取引所に上場している企業の時価総額は【世界取引所連盟の月次レポート(Monthly Reports)】によれば、2011年10月末時点で

・東証……3兆4281億ドル
・大証……2163億ドル

・NYSEユーロネクスト……11兆8837億ドル
・ナスダックOMX……3兆9251億ドル
・ロンドン証券取引所……3兆4301億ドル

となり、ロンドン証券取引所を抜いて世界第3位の取引規模となる(現在東証は第4位)。

東証は今後公正取引委員会による企業結合審査を受けた上で、大証に対してTOBを実施して子会社化。この際、大証が上場廃止にならないよう買い取り株式数の上限を66.6%に設定。その後株主総会を経て「大証を存続会社」として合併する。東証株式1に対し大証株式0.2019株を割り当てる。

持ち株会社「日本取引所グループ」のグループ最高責任者(CEO)には現東証の斉藤惇社長、グループ最高執行責任者(COO)には現大証の米田道生社長が就く予定(日本取引所グループは2013年1月1日発足予定)。その後、持ち株会社の傘下となった東証と大証を「速やかに」(一部報道では「1-2年」)で現物・デリバティブ・清算・自主規制法人の4子会社に再編していく。

東証は一時期独自上場を行う動きもあったが、業績の悪化や取引の低迷、システムの再構築などを理由として延期を繰り返していた(【東証自身の上場、再び延期・2010年以降に】)。結局単独上場は時勢的に難しいとのことから、今年3月には大証との統合も模索されたが東日本大地震などの影響もあり、今回のように11月の発表にまでずれ込んだ。

今後統合によるコストダウンやシステムの効率化による「利用投資家に対するメリット」が期待される。一方で両証券取引所の現在の動向を見るに、海外の証券取引所と比べてスピード感を欠いているところは否めない。合併でその弱点がどこまで克服されるのか、気になるところだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサードリンク


関連記事


▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2020 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー