いわゆる「コンプガチャ」、消費者庁が景表法違反と判断、法運用基準を改正し7月以降は行政処分も検討へ

2012/05/19 06:55

コンプガチャイメージ消費者庁は2012年5月18日、いわゆる「コンプリートガチャ」「コンプガチャ」と呼ばれる、主に携帯電話上のインターネットサービスで展開されるゲームのイベントにおいて、景品表示法(景品規制)の考えを公表すると共に、この考えに基づいた同法運用基準の改正案をパブリックコメントに付し、基準改正の手続きに入ったことを発表した。現在規制対象の「カード合わせ」に、「コンプガチャ」が該当するというもの(【発表リリース】)。

先に【いわゆる「コンプガチャ」一斉に終了の方向へ・各事業者など声明】でも伝えたように、「コンプガチャ」とはソーシャルゲームの仕組み、ビジネスモデルの一環として複数のゲームで導入されている(いた)仕組み。「有料でランダムの商品(カードなど。もちろんゲーム上の架空アイテム)を引いて収集し、特定の条件に合致するよう揃える(コンプリート)すると、さまざな効用を発揮したりビジュアルが楽しめるレアアイテムの類を手に入れられる」というもの。これについては射幸心をあおるという問題の他に、「ランダム」の部分の確率が明記されておらず「システム側でいかようにも操作できるのでは」などの指摘もなされていた。

景品表示法では、法令対象となる「景品類」について「顧客を誘引するための手段として」「商品や取り引きに付随して提供されるもの」「金銭その他の経済上の利益」と第2条第3項で定義している。また景品類の提供方法については、景品類の最高額や総額によって制限が行われているが、例外として「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供」は「カード合わせ」と呼ばれ、最高額・総額に関わらず提供自体が禁止されている(懸賞景品制限告示第5項)。この理由として「その方法自体に欺瞞性が強く、また、子供向けの商品に用いられることが多く、子供の射幸心をあおる度合いが著しく強いため」と説明している。

今回消費者庁が発表した見解によれば、

・有料の「ガチャ」自体の利益は、別の取引を誘引するためのものではないため、問題は無し
・「コンプガチャ」で提供されるアイテムなどは、有料の「ガチャ」取引を誘引するものであり、かつ「便益の提供を受ける」ものである。さらに利用者からは「対価を払ってでも手に入れる価値がある」と認められており、「経済上の利益」にも該当する。
 よって「コンプガチャ」で得られるアイテムは景品表示法第2条第3項の「景品類」に該当し、必然的に仕組みそのものは上記にある「カード合わせ」と見なされる。

とのこと。

消費者庁側ではこの見解を明確にするため、今回の「コンプガチャ」の解説を景品表示法に伴う『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』運用基準に盛り込み、規制対象とする。今件は2012年6月18日までパブリックコメントが募集され、同年7月1日から施行される予定(【「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」の改正に関する意見募集】)。

具体的には次の表記が運用基準に追加されることになる。

4 告示第五項(カード合わせ)について
(1) 次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。

携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。

運用基準改正後の2012年7月1日以降、上記「コンプガチャ」に該当するサービスが提供されていた場合、法令に基づいた各種措置の対象となる。

「コンプガチャ」はすでに業界各方面で、5月末に終了させる方向で自主規制が進んでいる。今回の運用基準変更までには各社とも対応が行われることになる。ほとんどのメーカーでは「影響は軽微」とのコメントが出ているが、今後各サービス、特に携帯電話経由のソーシャル系ゲームの展開動向にどのような影響が生じるのか、注意深く見守りたいところだ。

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