【更新】ボルボ、新型車搭載の「歩行者用エアバッグ」を公開

2012/05/24 06:45

歩行者用エアバッグボルボ・カー・コーポレーションは2012年5月23日、新型の同社車両ボルボV40に搭載される、世界初(※リリースより)の「歩行者用エアバッグ」の仕組みを公開した。万一の歩行者などとの衝突の際、ボンネットが上昇すると共にエアバッグが膨張し、歩行者の衝突ダメージを軽減するというもの([発表リリース])。


↑↑ 技術的説明映像
↑ 技術的説明映像。【直接リンクはこちら】

↑ 歩行者用エアバッグ・資料画像
↑ 歩行者用エアバッグ・資料画像

資料によると交通事故死亡者数全体のうち、歩行者事故の割合はヨーロッパで14%、アメリカで12%、中国で25%、日本では36%以上を占めている。負傷者の数でカウントすると、その率はさらに上昇傾向を見せる。そして車と歩行者の事故による最も深刻な頭部外傷は、ボンネットの下にある硬いエンジンなどの部品と、フロントガラスの下縁部やAピラー(車の屋根を支える柱のうち、フロントガラスの左右にある部分)への衝突によって引き起こされている。今回の「歩行者用エアバッグ」技術の開発には、それらの点が考慮されている。

具体的な「歩行者用エアバッグ」の仕組みは次の通り。車の正面に埋め込まれた7つのセンサーがコントロールユニットに信号を送信する。もし車体が何らかの物体との接触を感知すると、信号が変化し、コントロールユニットがその信号を評価。感知した物体が人間の脚として認知された場合、歩行者用エアバッグが展開するという仕組みになっている。

ボンネットのヒンジ(ちょうつがい)部分には、「歩行者用エアバッグ」システム起動時にピンを引き出しボンネットパネルの背面を開放する機能が備えられている。その起動と同時にエアバッグが作動し、ガスの充てんを開始。エアバッグが膨張する際にボンネットを10センチ持ち上げ、その位置を保持する。

↑ 上記資料映像より、作動の瞬間。瞬時にエアバッグが作動し、ボンネットが押し上げられていく
↑ 上記資料映像より、作動の瞬間。瞬時にエアバッグが作動し、ボンネットが押し上げられていく

ボンネットとエンジンコンパートメント(エンジンが組み込まれている部分)内の硬い部品の間にすき間を作ることで、ボンネットを変形させ衝撃を吸収するスペースを与え、歩行者と衝突した際に衝撃を和らげる効果を生み出すことになる。「エアバッグには2つの機能があり、1つ目はボンネットを持ち上げスペースを生みだすこと。2つ目にフロントガラス付近の強固な部分に衝突した際の衝撃を吸収する機能です」とはボルボのシニア安全技術アドバイザーを務めるトーマス・ブロバーグ氏の説明。

エアバッグは膨らんだ状態で、ワイパー全体の収納部とフロントガラスの約3分の1、並びにAピラーの下部をカバー。すべての連動したシステムが起動してから完全に膨らむまで、200-300分の1秒で作動する。またシステム自身は時速20-50キロの走行で作動するが、歩行者が関係する事故のうち75%は時速40キロ以下での走行時に発生しているとのこと。

日本での新型ボルボV40の発売は来年春を予定している。実物の国内展開は今しばらくおあずけということになるが、どこまで「実際に」事故時のリスクを軽減できるのか、気になるところではある。無論、この装置自身が作動しない状況が継続されたまま、各ドライバーが運転を続けるのが一番なのではあるが。


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