KDDI、災害時の通信確保のため海保船舶に携帯電話基地局開設の実地試験を実施

2012/09/28 06:40

海保船舶に携帯電話基地局開設の実地試験【KDDI(9433)】は2012年9月17日、総務省中国総合通信局が主催する「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会」参加の流れで、国内初の取り組みとして海上保安庁の船舶に携帯電話基地局(実験試験局)を開設、商用と同等の電波を用いた携帯電話システムとしての品質を検証する実地試験を実施すると発表した。災害時に陸上の被災動向に影響を受けにくい海上から、通信障害の復旧サポートを行う試み(【発表リリース】)。

↑ 海保船上の携帯電話基地局(実験試験局)による被災地通信障害復旧サポート概念図
↑ 海保船上の携帯電話基地局(実験試験局)による被災地通信障害復旧サポート概念図

KDDIでは(他社同様)災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを早期に復旧させるため、車載型基地局、可搬型基地局、無線エントランス回線の増強などさまざまな取り組みを行っている。今回は陸上での復旧に加え、陸上の被災状況に影響されない海上からの復旧を行うことで、サービスエリアの更なる早期復旧を目指し、実地試験を行うこととなった。

実地試験の実施は2012年11月下旬を予定。広島県呉市倉橋町海上で第六管区海上保安本部所有「巡視船くろせ」にて行われる。具体的な内容としては「くろせ」船上に開設した携帯電話基地局(実験試験局)の電波を沿岸部にて受信し、音声通話、データ通信の品質を測定。その際、「基地局からの電波強度の確認」「潮位の変化に伴う品質への影響確認」「波による船舶の揺れに伴う品質への影響確認」などが行われる。

↑ 巡視船くろせ(左)と携帯電話基地局(実験試験局)(右)
↑ 巡視船くろせ(左)と携帯電話基地局(実験試験局)(右)

地震などの災害時に、地上と比べて影響の少ない海上から、被災地における通信状況の不安定さをカバーするという考えは、発想的には優れている。また、海岸線沿いに人口密集地帯が多い日本ならではの考えともいえる。一方、今回の実地試験で確認される通信品質・カバーエリアの問題に加え、「『事態』発生時にどれだけ素早く、スマートに稼働体制までもっていけるか」というシステム上の問題もある(KDDIが船舶を保有する場合はコストも合わせた平常時の運用の問題、あるいは今件のように海保の船を借りる場合は「必要な時」に手続きなどで時間のロスをすることなく借り受けることができるか)。

ともあれ、今回の実地試験の結果を待ち望み、今後の展開に期待したいところだ。

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