3タイプのホームドア、国土交通省の支援で実証実験へ
2013/03/07 09:45


国土交通省では駅のホームにおける旅客の接触・転落事故(特に視覚障害者に事例が多い)に対して憂慮をしており、ホームドアの転落防止策を推し進めてきた。一方、その代表的な施策であるホームドアの設置には、利用車両の扉の不一致などの技術面、ホームの補強改良工事などを含めたコスト面などの問題が山積している。

↑ ホームドアの問題点、車両扉の不一致や停止位置の精度問題。他にもコストの問題もある
そこで国土交通省では国だけでなく自治体に向けても補助金や税制面での優遇措置などのコスト面での支援、さらには技術的な問題を解決するための技術開発の推進の後押しなどをしている。今回実施される現地試験(実証実験)もその一環となる。
試験が行われるホームドアの仕組みは「戸袋移動型」(神戸製鋼所)・「昇降ロープ式」(日本信号)・「昇降バー式」(高見沢サイバネティックス)の3パターン。それぞれ西武鉄道新宿線・東京急行電鉄田園都市線・相模鉄道いずみ野線で実施される(実証実験が行われるのみであり、各路線が各方式を正式導入するわけではない)。

↑ 各鉄道で行われる実証実験
東京急行電鉄田園都市線の「昇降ロープ式」はすでに先日お伝えした通りだが、西武鉄道新宿線「戸袋移動型」は【「戸袋移動型ホーム柵」の実証実験に新所沢駅下りホームを提供して協力します。(PDF)】、相模鉄道いずみ野線「昇降バー式」は【昇降式ホームドアの実証試験を実施します(PDF)】と、やはり3月5日にリリースが発表されている。

↑ 西武鉄道新宿線「戸袋移動型」。新所沢駅で実施

↑ 相模鉄道いずみ野線「昇降バー式」。弥生台駅で実施
今回の各社の実証実験で問題点が確認され、個々の方式の長短所が明らかになり、その結果としてより良い仕組みのものがより多くの駅で採用されることを願いたいものである。

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