脳卒中発症リスクを統計学的に予想する計算式、国立がん研究センターなどが開発

2013/03/23 21:00

確率論独立行政法人 国立がん研究センター内のがん予防・検診研究センター予防研究部は2013年3月19日、多目的コホート研究(JPHC Study)からの論文として、「10年間で脳卒中を発症する確率について -リスク因子による個人の脳卒中発症の予測システム-」を発表した。7つのリスク要因を基に変数を絡めて計算を行い、該当者の脳卒中発症確率を予想するものである(発表リリース)。

今研究では1993年時点で茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古管内に在住していた40-69歳のうち血液検査に応じた1万5672人に対し14年間の追跡調査を実施。その過程で該当者に790人の脳卒中発症が確認された。その調査結果に基づき、脳卒中発症確率を予測するためには喫煙、肥満度、血圧、降圧薬内服および糖尿病の有無、年齢、性別の7つの因子で必要十分であることを統計学的に立証した上で、予測モデルを作成している。要は「14年間に渡って多数の実モデルから『このような条件で区切ると、脳卒中の発生率は●%になる』という統計上のデータ」を多数組み合わせ、それらを数式に組み替えたもの。

完成した予測モデルはシンプルで、7つの条件に基づき該当する場合は対応する点数を加算。各項目の点数を合計し、発症可能性テーブルと比較して結果を出す。

↑ リスクスコアによる脳卒中発症確率算出の流れ
↑ リスクスコアによる脳卒中発症確率算出の流れ

例えば年齢40歳男性で喫煙しており、肥満度が28、血圧降下剤を用いており通常の血圧は130/88の場合、点数は

年齢40歳……0
男性……6
喫煙……4
肥満度28……2
糖尿病無し……0
血圧(降圧薬服用)130/88……10

となり、合計点は22ポイント。発症確率は2-3%未満で、血管年齢は59歳となる。

なお降圧薬を服用している場合、血圧が低くてもポイントが多分に加算されるが、これについて報告書では「この研究において降圧薬がより重症あるいは長期間の高血圧者で処方されていることを反映しているものと考えられ、降圧薬の効果を否定するものではありません。降圧薬が脳卒中発症確率を低下させることは最も信頼性の高い無作為化比較試験によって証明されています」と説明し、降圧薬そのものが脳卒中発症リスクを底上げするものではないとしている。

また数字の割り振りを見ると概算的なところもあることや、統計値を得た当時と現在では食生活などのリスク要因そのものに違いがあり、ある程度のぶれは生じている可能性がある。むしろポイントを引き上げる(脳卒中リスクを高める)要因を見極め、生活習慣を評価するための指針として用い、健康状態の維持改善に役立てる使い方が望まれよう。


■関連記事:
【今後10年間の脳卒中リスクが分かるチェックリスト】(2010年5月、アメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所発)

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