海自の新型固定翼哨戒機P-1量産初号機、防衛省に納入
2013/03/27 06:55



↑ P-1哨戒機納入式のようす。報道公式映像。【直接リンクはこちら】

↑ P-1哨戒機(リリースから)
今回初量産機が納入されたP-1は、現在海上自衛隊が運用しているP-3C固定翼哨戒機の後継機にあたる機体で、防衛省が2001年度から開発を進めていた。新規開発された純国産機で国産エンジンを搭載。全長は38.0メートル、全幅は35.4メートル、全高12.1メートル、基本離陸重量は79.7トン。
同機は耐電磁干渉性に優れた実用機世界初のFBL(Fly By Light。飛行制御のためにセンサーなどを光で配線結合したもの)システム、探知能力を向上した新規開発の音響システムおよびレーダー・システムを採用し、P-3Cを上回る速度、航続距離、搭載量などが特徴。次期輸送機XC-2と共に2機種同時開発を進めており、その際にメンテナンスの容易化や開発・生産コストの削減を目指し両機種間の共有を図り、機体構造や搭載システムの一部で実現している。これまで試作機が2機防衛省に納入されており、これを基に各種開発試験が成され、今年の3月には開発が終了した。
現行のP-3Cは老朽化もあり、2008年以降除籍が始まっている。2011年度には固定翼哨戒機の所要機数を割り込む見込みであったことから、後継機として今件P-1の配属作業が進められている。現在合計8機が調達済みで、逐次納入が予定されている。
防衛省のP-1に関する【行政事業レビューシート(PDF)】を確認すると、今P-1の利用目的の定義としては「新たな脅威や多様な事態、国際平和協力活動に対し、より実効的に対応するため、我が国周辺海域の警戒監視や不審船等の小型水上船舶の探知識別などの任務を行う固定翼哨戒機を所要機数整備する」と説明されている。平成24年度における海上自衛隊のP-3Cの保有機数が78機であること(【平成24年度防衛白書】の資料13「主要航空機の保有数・性能諸元」から)や日本における哨戒機の必要性をかんがみるに、もう少し多い調達数が求められる感はある。
ともあれ、今後の同機の活躍に期待したいところだ。

スポンサードリンク
関連記事