これはカッコE・中央線特急電車の新型車両E353系、量産先行車新造へ

2014/02/05 07:00

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中央線新型特急電車E353系JR東日本は2014年2月4日、現在使用中の中央線特急E351系の代替車両として、性能評価や技術検証のための新型車両となるE353系の先行車を製作すると発表した。基本9両編成・付属3両編成の合わせて12両を製作し、2015年夏以降に完成する予定。現行E351系と比較すると未来的な外観に加え、LED照明や防犯カメラ、電源コンセントなど多彩な設備が実装されているのが特徴(【発表リリース:中央線新型特急電車(E353系)量産先行車新造について】)。


↑ E353系量産先行車 車両イメージ
↑ E353系量産先行車 車両イメージ

現在中央線特急で使われているE351系車両は1993年12月に営業運転を開始した特急用車両。観光旅行用として競合する中央高速バスへの対抗から、コロ式制御付振り子による車体傾斜方式を採用し、曲線区間でのスピード維持を可能としている。今回発表されたE353系先行車は、このE351系の後継機の量産先行車に該当する。

形状のイメージは「伝統の継承」「未来への躍動」。現行車両E351系、さらにその前の183系・189系など、さかのぼれば1966年12月に運行を開始した特急列車「あずさ」のDNAを引き継ぎながら、日本の中央部を走る新時代の象徴となるべく、観光・ビジネスの双方に対応したものを目指している。路線の特徴の一つである曲線区間の多さへの対応としては、E351系が振り子式車体傾斜方式を採用したのに対し、E353系では空気ばね式車体傾斜方式を採用し、同等の走行性能を実現。さらに動揺防止装置(車両の左右方向の振動をアクチュエータで減少させる装置)を一部先頭車やグリーン車で採用することにより、乗り心地を向上する。車体はE351系が鋼製だったのに対し、E353系ではアルミニウム合金製となる。

↑ 普通車室内(左)とグリーン車室内(右)のイメージ
↑ 普通車室内(左)とグリーン車室内(右)のイメージ

内装は室内照明のLED採用、客室内出入り口に防犯カメラの設置、各座席に電源コンセントの導入、各車両に空気清浄機の設置、AEDを1編成に1台設置など、室内環境の整備に気を払っている。最高速度は時速130キロでE351系と変わらないが、編成は9両編成(グリーン車30名、普通車502名)・3両編成(グリーン車無し、普通車154名)となる。

今車両は2015年夏以降に完成し、それ以降に中央本線(東京-塩尻)や篠ノ井線(塩尻-松本)で運用される予定。

元々「あずさ」用の車両はスタイリッシュなデザインが採用されているが、今回のE353はコンセプトのうちの一つ「未来への躍動」を覚えるところが大きい。特に先頭車両の前面部分の流線型形状は、新時代を予見させる雰囲気をかもしている。実車両がどのような仕上がりとなり、路線を走ることになるのか。来年の完成が楽しみでならない。


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