ピーク時3割、通常時でも1割超えの渋滞緩和に成功! 都が5か年計画の成果を発表

2009/03/10 19:40

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スムーズ東京21-拡大作戦-イメージ東京都は2009年3月9日、警視庁や東京国道事務所と連携して行ってきた、東京都内の慢性的な交通渋滞の解消に向けた5か年計画「スムーズ東京21-拡大作戦-」の最終報告を発表した。それによると事業成果としてはこの5年間で、ピーク時における旅行時間が30%減(目標値20%減)・平均における旅行時間が12%減(目標値10%)となり、目標を超える成果を導き出したことが明らかになった。交通渋滞解消の事業が多角的・多方面的にいちどきに行われる事は珍しく、今回の「スムーズ東京21-拡大作戦-」の成功事例が今後他の行政機関に影響は少なくないものと思われる(【発表リリース】)。


「スムーズ東京21-拡大作戦-」は2003年度から2007年度にかけて行われたもので、東京都内の渋滞が激しい交差点を対象に、ハード・ソフトの両面から対策を行い、既存の道路の機能を最大限に高めて渋滞の緩和を目指したもの。具体的には都道30路線・100交差点、及び国道10路線・40交差点が対象となった。そのうち実際に事業が実施されたのは都道93交差点、国道27交差点。

事業対象路線・交差点
事業対象路線・交差点

実際に行われた事業は次の通り。

・道路施設などの改善
 交差点の改良(立体化)、バスベイの整備、信号調整、区画線の変更
・違法駐車の排除
 赤系カラー舗装による交差点付近の駐停車禁止区域などの明示と駐停車禁止区域の拡大、駐車抑止テレビシステムの整備、違法駐車取締りなど
・駐車場等の有効活用
 客待ちタクシー対策の実施(タクシープール(タクシー待ち場)の設置)、路外荷さばきスペースの確保など
・渋滞対策の普及・啓発

区画線の変更例
区画線の変更例

赤系カラー舗装による交差点付近の駐停車禁止区域等の明示と駐停車禁止区域の拡大事例
赤系カラー舗装による交差点付近の駐停車禁止区域等の明示と駐停車禁止区域の拡大事例
これらの対策の結果、ピーク時で平均30%減、通常時で平均12%の通過時間の減少を達成できた。地区によっては50-60%減もの減少も確認できるほど。また、場所の数としては、効果測定を行った25路線中23路線でピーク時、19路線で通常時の目標達成を果たすことができた。さらに、交通量そのものの減少だけでなく、交通量の減少に伴い窒素酸化物や二酸化炭素の減少も確認され、大気環境についても改善が認められる結果が出ている。

改善後の交通量の変化は2008年7月に行われているため、渋滞そのものの変化はガソリン価格の高騰や景気後退の影響が加味されている可能性がある。それを差し引いても改善策に効果があったことは間違いないし、バスベイやタクシープールの整備など利用者にとって便利になった点は、山ほど見出すことがてきる。

交通状態による経済的なロスを考えると、単に時間短縮や運転手らのストレス軽減以上の効果が得られた今回の方策を、今後も定期的に行ってほしいものだ。それと同時に東京都以外の地域でも(その地域の特性に合わせた変更を施した上で)実施することにより、交通渋滞の緩和を目指してもらいたいものである。

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