ホンダ、考えるだけでアシモをコントロールする技術「ブレイン・マシン・インターフェイス」を開発

2009/04/01 07:40

ブレイン・マシン・インターフェイス(Brain Machine Interface)イメージ[ホンダ(7267)]は2009年3月31日、同社の研究開発子会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンと、国際電気通信基礎技術研究所、【島津製作所(7701)】が共同で、世界で初めて脳波計(Electroencephalography 以下、EEG)と近赤外光脳計測装置(Near-Infrared Spectroscopy 以下、NIRS)を併用して、さらに新たな情報抽出技術を使用することで、ボタンを押すなどの身体を動かす動作が不要な「考えるだけでロボットを制御できる」ブレイン・マシン・インターフェイス(Brain Machine Interface 以下、BMI)を開発したと発表した。将来的には知能化技術やロボット技術などと融合させて、人に優しい製品開発への応用を目指すとのこと(【発表リリース】)。

今回発表された技術の流れ
今回発表された技術の流れ

人が考えるとき、脳では微弱な電流や血流の変化が生じる。この電流や血流をいかに正確に計測・解析できるかが、BMI技術の開発で最も重要な点。正確に計測・解析できれば、「考え」と電流や血流の関係をリンクさせ、考えていることを推定できるからだ。

新開発のBMIでは、脳活動に伴う頭皮上の電位変化を計測するEEGと、脳血流の変化を計測するNIRSを併用。これら二種類の複雑な情報を統計処理する「情報抽出技術」を新開発した。これにより、人が考えるだけで脳活動を高精度に判別することを可能とした。

また、2006年に発表したBMIで用いた機能的核磁気共鳴画像(functional Magnetic Resonance Imaging 以下、fMRI)装置は、大型で、かつ強力な磁場が発生するため使用環境が限られていたが、新開発の計測装置には、より小型のEEGやNIRSを用いることで、様々な場所に移動して使用することを可能とした。

今回開発された技術では具体的にははじめに、使用者の頭部にEEGとNIRSのセンサーを装着する。次に、使用者に4つの選択肢から選んだ1つを提示。使用者は身体を「一切動かさずに」その選択肢をイメージし、その際の脳活動に伴う脳波と脳血流の変化を同時計測する。計測されたデータはリアルタイムで解析され、使用者のイメージを判別する。その結果を受け取ったASIMOが手や足を上げるなどの動作を行う。今回の実験では、世界最高水準の90%以上の正答率を達成したとのこと。

元々BMIの仕組みは、手足などの操作を不要としているのが特徴だが、欧米ではこの仕組みを作るのに「外科手術で脳内に電極を埋め込む」侵襲型と呼ばれる形式の研究が盛ん。今回発表されたBMIをはじめ、日本では頭皮にセンサーを接触させるだけの非侵襲型の形式が主流となっている。

要は直接考えをつかみとるのではなく、「考えた時に発生する・リンクする脳波の変化など外部的反応を出来る限り多く取得し、逆にその変容から考えることを推測する」という二段階方式の技術。似たような考え方・技術は日本国内だけでも【超能力を持たなくとも念じるだけで車いすを操作できる!? 電通大が試作機作成】【考えただけで『セカンドライフ』が操作できるシステム、慶応大学が開発】【日立製作所(6501)、「考えるだけで鉄道模型をコントロール」実験に成功】など、多種多彩な研究機関が実験をおこなっている。技術として確立できれば医療介護の分野をはじめさまざまな面での応用が可能となるため、大いに期待したいところ。しかし、精度については英語翻訳ソフトの翻訳精度のように、「90%を超えた後の精度向上」が大変なのかもしれない。

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