試算総額2.5兆円・有人ロボットによる月探査も視野-「宇宙基本計画」を了承

2009/06/03 07:38

宇宙イメージ政府は2009年6月2日、宇宙開発戦略本部会合を開催し、提出された【宇宙基本計画(案)(PDF)】を了承した。2020年までの約10年間で官民合わせて2兆5000億円ほどの資金が必要になるという試算も計画に盛り込まれている(【該当ページ】)。

今回了承された「宇宙基本計画」は2008年5月に成立した宇宙基本法に基づくもので、日本としては宇宙政策史上初の中長期的な政策計画となる。これまで総合的な戦略が無く、宇宙の利用実績が乏しい事、国際競争力が不足している事などの状況を踏まえ、「研究開発から利用ニーズへの転換」を元に、日本らしい「安全保障分野における活用」や「宇宙外交」「先端的な研究開発」を目指していく。

基本方針としては次の6つが挙げられている。

1.宇宙を活用した安心・安全で豊かな社会の実現
2.宇宙を活用した安全保障の強化
3.宇宙外交の推進
4.先端的な研究開発の推進による活力ある未来の創造
5.21世紀の戦略的産業の育成
6.環境への配慮

具体的には災害の状況把握や地殻変動、気象予報用の衛星の開発と打ち上げ・運営をはじめ、海洋監視や情報収集など防衛政策上に必要となる情報収集衛星、海洋や鉱物資源探索のための衛星、地球環境や天体の観測のための観測衛星の稼動(一部相互併用)、宇宙ステーションへの補給機の稼動など多数項目に及ぶ。これらは打ち上げのための技術・開発力の底上げはもちろんのこと、稼動によって得られるさまざまな便益(外交面、産業育成・振興面)を期待してのもの。

さらに麻生総理からは有人を視野に入れたロボットによる月探査については、2020年度を目標に検討を開始し、一年後をめどに方針を明確化するよう指示が出されている。

日本は戦後しばらくの間、航空・宇宙産業への参入や技術開発を(敗戦国であるがために)禁止されていたため、そして解禁されてからも明確な中長期的戦略と十分な予算・人材の配分がなされなかったゆえに、宇宙産業においては主要先進国と比べて一歩も二歩も立ち遅れているのが現状。予算配分や人材の育成、技術の集約や防諜問題など、解決すべき問題は多いが、道しるべが出来た事は注目に値する。

今後下手な茶々や無駄な横槍が入れられることなく、計画がスムーズに進むことを願いたいものだ。


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