【更新】カゴメ(2811)、広告宣伝費6.3億円・26.3%削減や固定費節約で営業利益13億円プラスへ
2009/07/24 05:04


今回発表された短信の主な指標は次の通り。
・売上高…451億9700万円(マイナス7.0%)
・営業利益…28億0200万円(プラス86.2%)
・四半期純利益…19億4800万円(プラス181.0%)
・広告宣伝費…17億5700万円(マイナス26.3%)
・販売促進費…74億7500万円(プラス0.8%)
※カッコ内は前年同期比
・営業利益…28億0200万円(プラス86.2%)
・四半期純利益…19億4800万円(プラス181.0%)
・広告宣伝費…17億5700万円(マイナス26.3%)
・販売促進費…74億7500万円(プラス0.8%)
※カッコ内は前年同期比
短信中にも説明されているが、売上が落ちているのはカゴメが2008年7月に実施した飲料商品の価格改定によるマイナスの影響がまだ一巡していないことによるもの。一方、
・販売促進費…野菜飲料に重点を置いて積極的な販促を行ったために増加
・広告宣伝費…「効率的な運用を図ること」で大幅に削減
・広告宣伝費…「効率的な運用を図ること」で大幅に削減
など、自社商品の告知に対する経営資源の配分を変更した結果、大きく利益をかさ上げすることに成功している。
【サトウ食品、テレビCMの抑制で営業利益3.2倍へ】でも触れているのだが、ある程度ネームバリュー・企業ブランドを確立している企業や商品においては、これまでのように「一律にじゅうたん爆撃的に大手メディアに広告をばらまく」のは無駄遣いに等しいという認知が広まりつつある。そして、費用対効果を熟考した上で上手に予算を再配分することで、「これまでより少ない予算で効果的な告知効果・成果」をあげる選択肢が選ばれつつある。予算を少なく抑えて同じ成果=売上を出せれば、当然利益は増えるわけだ。
今回のカゴメが実施した広告宣伝費の削減も、テレビや新聞の広告を一律削除するわけではなく(実際に野菜飲料部門でも「テレビスポットや番組提供、交通広告など積極的な広告投資を行ったことに加え」という言及がみられる)、現状に合わせて不必要と思われる広告宣伝費をダイナミックに削減。地味だが確実な成果が期待できる販売促進費に注力したことで、成果をあげることができたといえる。
売上の増加が期待できない昨今、先のサトウ食品や今回のカゴメのようなブランド力を持つ大手企業においては、より効果的に経費を使いまわすため、各メディアの「媒体力」の再検討と広告宣伝費の見直し・適正化が進められていくのだろう。

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