公的年金の運用状況、今年第1四半期は含み・確定損益合わせて4.5兆円の黒字

2009/08/29 10:24

公的年金の運用イメージ公的年金の積立金を運用する【年金積立金管理運用独立行政法人】は2009年8月27日、2009年度第1四半期(4-6月)における市場運用実績を発表した。それによると同期では四半期ベースにおける最高値となる4兆4921億円の黒字(確定損益・含み損益の合算)となったことが明らかになった。財投債の収益761億円を合わせると、総合収益額は4兆5682億円になる。2008年度は通年で市場運用分では9兆6670億円の赤字となったが、その半分ほどが復帰したことになる(【発表リリース】)。

詳しくは【年金資金の運用状況をグラフ化してみる】の後半部分で解説しているが、公的年金は年金積立金管理運用独立行政法人によって運用されている。かつては「確定損益」も公開されていたが、運用母体が年金基金から年金管理運用法人に変わり、会計形式も簿価会計から時価家計に変更されたため、「確定損益」に「含み損益」を加えた「総合収益額」が公開されるようになった。つまり新聞やテレビで今年前半に大きく報じられた「年金9.6兆円の大損!」などの言い回しは、確定損では無く総合収益額であり、実際にはそのほとんどが「含み損」に過ぎないことが分かる。

今回発表された2009年度第1四半期(4-6月)における市場運用実績をグラフ化すると次のようになる。

年金積立金管理運用独立行政法人・運用状況(億円)
年金積立金管理運用独立行政法人・運用状況(億円)

市場運用分における総合利回りは4.85%プラス。国内株式に限れば20.55%プラス。実績としては「それなりに」良い数字を見せているが、運用額の増加もあり、「総合収益”額”」の四半期における黒字額は過去最高を記録した。今回大きくプラスに転じたのは、国内外共に株価の上昇に寄るところが大きい。

もっとも先の運用状態の分析記事や、今回発表されたリリースにも注意書きされているように、「年金積立金は長期的な運用を行うものであり、その運用状況も長期的に判断することが必要」。ましてや「年金9.6兆円の大損!」と新聞の一面を飾ったり一週間ほど念入りに非難の集中砲火を浴びせた平成20年度期末運用状況の時のように大きくマイナスとなっても、一転して「こんなことがありました」程度にちょっぴり一日報じてそれでオシマイのような大きくプラスの結果を見せても、それは長期運用における一過程に過ぎない。

個人ベースの投資家としては、扇動的な報道に惑わされることなく、優れた長期投資を行う運用団体の一つとして参考にすべきだろう。

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