理研、クマな介護支援ロボット「RIBA」を発表

2009/08/29 10:25

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クマな介護支援ロボット「RIBA」イメージ独立行政法人理化学研究所(理研)と【東海ゴム工業(5191)】が2007年に設立した理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センター(RTC)は2009年8月27日、介護者の負担を軽減することができる介護支援ロボット「RIBA(Robot for Interactive Body Assistance;リーバ)」を開発したと発表した。親しみやすいクマのような容姿をしており、長い両腕で「61キロの人間をベッドや車いすから抱き上げるなどの移乗作業を行える」世界初のロボットと説明している(【発表リリース】)。




介護支援ロボット「RIBA(Robot for Interactive Body Assistance;リーバ)」。
介護支援ロボット「RIBA(Robot for Interactive Body Assistance;リーバ)」。【直接リンクはこちら】

高齢化社会・少子化の進行や核家族化は、寝たきりで介護が必要な人たちを増加させる社会現象となり始めている。そしてそれと共に、介護者の不足も社会問題として重要視されている。しかしながらベッドや車いすなどからの移動には移乗作業が欠かせず、一日に何度となく繰り返されるため、介護者にとっては肉体的な重労働となる。介護者への腰の負担を考えると、解決しなければならない重要項目に違いない。

そこでRTCでは2006年に理研が開発した介護ボット「RI-MAN」のノウハウを活かし、さらに東海ゴム工業の材料・構造設計技術を活用することで、

・介護者が触覚を介してロボットを操作できる……介護者の負担がほとんど無い
・さまざまな状況で柔軟に対応できる操作方法……要介護者の負担を減らせる
・世界最大級の自重比を誇る可搬荷重……61キロまで移乗可能(論理的には100キロ超まで)
・愛らしいデザイン……人間に似せると不気味さが生じるとの意見から
・静粛性……抱き上げ時の作動音を53.4デシベルに。病院の待合室で許容されるレベル。

など特徴を持つ「RIBA」の開発を行うことができた。ちなみにRIBAのスペックは高さ140センチ、重さ180キログラム(バッテリー込)、全身が発泡ウレタンなどの柔軟素材で覆われている。

リリースによれば今回開発されたRIBAは今後数年以内に実際の介護施設でモニター使用を実施して問題点を整理し、その後製品化を目指す予定だとしている。

クマーイメージメンテナンスのことを考えれば「売り切り」というよりは丹念なサポート付きの専用販売、あるいはリース・レンタル方式での運用がメインになると思われるが、いずれにしても興味深いロボットであることに違いは無い。メーカーが違うので実際には無理だが、例えば【ホンダのロボット「ASIMO」が自分で考え連係プレーも可能に】で紹介した[ホンダ(7267)]のASIMOと機能を融合させることができれば、「移乗作業”も”できる介護ロボット」への道が開けるかもしれない。

それにしても「人間っぽいと不気味だからクマの形」とは、なるほどと思わせるものがある。同時に右にあるような、アスキーアートの「クマー」を容易に想像してしまい、ほほえましささえ覚えてしまったのは当方だけだろうか。

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