これは画期的…山形新幹線「つばさ」新カラーに。温泉街列車「とれいゆ」も登場
2014/03/05 07:00


↑ 山形新幹線「つばさ」の新外観
今回発表された山形新幹線「つばさ」の外観変更は、JR各社と自治体などが共同して行っている観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」の一環として、山形新幹線の魅力向上を目的に行われるもの。工業デザイナー奥山清行氏のデザインにより、山形県の県鳥「おしどり」をモチーフとした紫色をベースにしている。そして帯には県花の「紅花」の生花の鮮やかな黄色を基調に、染料に加工されるにつれ赤色へ変化していく「紅花」の色の移り変わりを先頭部に向けてのグラデーションで表している。
また車両側面などに配されるシンボルマークは、山形の四季を織り成す4パターンの組合せの植物「桜とふきのとう」「紅花とサクランボ」「稲穂とりんご」「蔵王の樹氷」をイメージし、4つのデザインを配している。

↑ 山形新幹線「つばさ」の新しい車両シンボルマーク
また同時期に山形エリアで新幹線車両としては初となる、乗ること自体が目的の列車「とれいゆ」が登場する。これは列車を意味する英語「トレイン」と太陽を意味するフランス語「ソレイユ」を合わせた造語。食、温泉、歴史や文化、自然を、温泉街のように散策しながら列車の旅を楽しむというテーマを表現すべく命名された。

↑ 「とれいゆ」の外観
「とれいゆ」は新幹線用車両E3系を改造し、お座敷指定席車両×3、湯上りラウンジ車両×1、足湯車両×1、普通指定席車両×1で構成。足湯を楽しみながら温泉街を練り歩くような旅行気分を、新幹線車両内で楽しむことになる。

↑ お座敷指定席車両内(左)/足湯車両内(右)イメージ
「とれいゆ」の定員は143名。2014年7月以降に山形エリア(福島・新庄間)を中心とした山形新幹線区間での営業を予定している。臨時列車扱いでの運行となり、土休日を中心に年間120日程度の運行。
通常車両ならまだしも、高速な移動を第一義的としている新幹線で、乗ること自体を目的とする列車の運用は、まさに発想の転換。新幹線をお座敷列車化してしまう切り口も、驚かされるばかり。「とれいゆ」は英語とフランス語の造語と説明されてはいるが、多くの利用客からは「とれい湯」と読まれ、走る温泉新幹線的なイメージを持つ名称として覚えられることだろう(温泉街をテーマとした列車であることには違いないのだが)。
「つばさ」の新たな外観、新コンセプトの臨時列車「とれいゆ」の展開、いずれも山形新幹線に大いなる魅力を付加させる。両デザインの落ち着いた配色もあわせ、これからさらに増加するであろう、シニア層による観光旅行動機をさらにかきたてるに違いない。
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