セブン-イレブン、JR西日本と提携・駅売店500店舗をコンビニ転換へ
2014/03/28 07:30
セブン-イレブン・ジャパンは2014年3月27日、JR西日本が駅を中心に運営するキヨスク、コンビニエンス店(ハート・イン)の駅店舗事業について、JR西日本グループと業務提携契約を締結したと発表した。今後JR西日本グループのキヨスク、ハート・インの駅店舗全店(約500店舗)をリニューアルし、セブン-イレブンブランドの店舗に転換していく。さらに新規出店も推進していくことになる(【発表リリース:JR西日本グループとセブン-イレブン・ジャパンの駅店舗事業における業務提携について】)。
↑ 展開イメージ(セブン-イレブン Kiosk(キヨスク))
↑ 展開イメージ(セブン-イレブン Heart・in(ハート・イン))
JR西日本グループでは非鉄道事業の拡大による地域貢献を通して、鉄道の地域における存在意義の向上を、セブン-イレブンでは「生活サービスの拠点」としてのイメージ確立と浸透を模索。今回の提携は両社の思惑が一致したことによるものとなる。今後両社はセブン-イレブンのブランド化したキヨスク、ハート・インを展開することで、両社のインフラとノウハウを組み合わせ、鉄道の利用価値向上と地域貢献、セブン-イレブンのブランド力向上を目指すことになる。
展開スケジュールとしては、2014年6月上旬に京都駅2店舗、岡山駅、下関駅、博多駅をセブン-イレブンブランドに切り替え、その後おおむね5年間で全店舗500店舗をリニューアルして切り替えることとなる。
↑ 展開エリア(緑の網掛け部分)
駅構内・周辺の売店は「比較的店内面積が狭い」「多種多様な商品を取り扱い、幅広い客層に対応できる」「食品も含め日々の商品交換が必要不可欠」「多くの利用客が一度に利用する場面がある」など、通常小売店舗と比較して特殊な条件下での運営が必要になる。運営にはノウハウと経営リソースが多分に必要となる一方、状況的にはコンビニのそれに近しいため、各鉄道会社がコンビニそのものを運営して売店を展開するか、あるいは既存コンビニそのものを設置した方が「鉄道内のサービス提供」としては合理的。
これまでは前者の選択肢が選ばれていたが、コンビニの更なる事業展開模索の意図が強まってきたことに加え、その豊富な経営経験を活かして鉄道本体の利用価値を高めた方が効果的であると判断した鉄道会社の考えが一致。昨今ではコンビニ各社と鉄道各社との提携による「コンビニそのものの鉄道構内での展開」「鉄道構内既存店舗のコンビニへの転換」という事例が増えている。セブン-イレブンもこれまで鉄道事業者と業務提携を行っているが、今回の提携は規模・エリア共に過去最大規模のものとなる。
今後さらに各コンビニと鉄道会社との提携が進み、より一層コンビニが生活と密着したものとなるに違いない。
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