「首から下げるだけで周辺空間を除菌・ガード」は合理的根拠なし・消費者庁、一部商品の表記改善措置命令

2014/03/28 07:00


空間除菌ブロッカー CL-M50消費者庁は2014年3月27日、二酸化塩素を使った空間除菌をうたう「空間除菌グッズ」の一部について、その商品などに表記されている効果の裏付けをする根拠の合理性が認められないとして、景品表示法(優良誤認)に基づき、販売元の製薬会社など17社に対し、「合理的な根拠が無い内容の表記」をしないよう措置命令を出した。対象商品は携帯型15品目、据え置き型10品目の計25品目(【発表リリース:二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズ販売業者17社に対する景品表示法に基づく措置命令について】)。





↑ 消費者庁の会見なども含めた今件報道映像(公式))
↑ 消費者庁の会見なども含めた今件報道映像(公式)。【直接リンクはこちら:空間除菌グッズ一部商品表示に「誇大広告」 消費者庁が措置命令(14/03/27)】

↑ 大幸薬品のクレベリンゲルに関する表記(リリースから抜粋)
↑ 大幸薬品のクレベリンゲルに関する表記(リリースから抜粋)

消費者庁の発表によると、二酸化塩素そのものには除菌効果が認められるとした上で、該当商品の効用について、例えば「身に着けるだけ」「首から下げるだけ」「置くだけで簡単に」除菌ができると表示を行うのは、景品表示法(優良誤認)にあたると判断した。この判断にあたって消費者庁側では各社にその裏付けとなる合理的根拠を示す資料の提出を求めたところ、各社から資料が提示。しかしその資料では「生活空間において」各商品が説明しているような効果(ウイルス除去、除菌、消臭など)があるとは認められず、結果として「表示内容が事実よりも著しく優良であるものと示しているもの」とし、一般消費者に誤認させるものとの判断を下した。

該当商品は次の通り。

●携帯型……15品目
「空間除菌ブロッカー CL-M50」(アシスト)、「ERA空気除菌グッズ」(ERA Japan)、「ハイパー・ブロック」(エイビイエス)、「ウィルオフバリア」及び「ウィルオフポケット」(大木製薬)、「携帯用エアドクター台紙セット」(紀陽除虫菊)、「ウィルスブロッカーノヴァ」(クオレプランニング)、「スペースウォッシャー」(ザッピィ)、「ハイパー・バリア」(CKKインターナショナル)、「ES-010 エコムエアマスク」及び「ES-020 エコムエアマスク」(新光)、「クイックシールドエアーマスク」(中京医薬品)、「ウイルスガード」(ティエムシィ)、「エアースクリーン」及び「ウイルハント」(ヒュー・メックス)

●据え置き型……10品目
「ウィルオフスタンド」(大木製薬)、「空間除菌AirDoctor(ゲルタイプ)150グラム」(紀陽除虫菊)、「ウィクリアGEL」(阪本漢方製薬)、「クレベリンゲル」及び「クレベリンマイスティック」(大幸薬品)、「クイックシールド置き型」(中京医薬品)、「ウイルスガード・ゲル」(ティエムシィ)、「ウィルキルG」(東京企画販売)、「ウイルバッシュ ホルダー」(プライス)、「パルエックスG」(レッドハート)

消費者庁では今回の措置命令について「事業者が自分の行っている表示の裏付けとなる合理的根拠を出してこない、あるいは何かしら出してきたが、それは表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められないということであれば、我々(消費者庁)がその表示通りでないことを立証しなくとも、法律が優良誤認とみなしてしまうという規定」に基づいた判断と説明している。

昨今では健康志向の高まりに加え、風邪やインフルエンザの流行に合わせ、特に子供向けグッズとして多数が市場に展開している。今件は該当商品において、表示されている効用ほどの有意性が無いとの判断による措置命令、つまり「成分の二酸化塩素そのものには除菌効果はあるけど、書かれているほどのモノじゃないよ、少なくともそれを裏付けるだけの証拠は無いよ」との判断が下されたことになる。消費者が商品選択の判断をする際に、もっとも重要視する商品説明の内容において、その判断を誤らせるような表記は、該当企業はもちろん、商品ジャンル全体への信頼性を損なうことになる。しっかりと、誠実な対応を願いたいところだ。


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